1. 最近の中枢神経損傷による運動機能障害(脳性麻痺を含む)の年齢と運動発達レベルの現状―全国アンケート調査より
脳性麻痺(以下CP)の療育体系の中で, 早期発見, 治療の方向がすでに一般的となり, 神経生理学的治療がその治療法の主体をなしている現在, これを効率的に進めるための療育の最適化の課題がクローズアップされる. このための基礎資料としてCPを含む中枢性運動障害児の全国的現状を把握すべくおこなったのが本調査研究である. 対象は回答の得られた58の肢体不自由児施設(回収率78.4%)と39の肢体不自由児通園施設(同67.2%)において治療をうけている入園児4,693人(うろ脳障害児3,367人), 通園児9,223人(同6,907人)である. (1) 通園児において0歳でCP未診断であっても3歳頃ま...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1983-11, Vol.20 (6), p.380-380 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脳性麻痺(以下CP)の療育体系の中で, 早期発見, 治療の方向がすでに一般的となり, 神経生理学的治療がその治療法の主体をなしている現在, これを効率的に進めるための療育の最適化の課題がクローズアップされる. このための基礎資料としてCPを含む中枢性運動障害児の全国的現状を把握すべくおこなったのが本調査研究である. 対象は回答の得られた58の肢体不自由児施設(回収率78.4%)と39の肢体不自由児通園施設(同67.2%)において治療をうけている入園児4,693人(うろ脳障害児3,367人), 通園児9,223人(同6,907人)である. (1) 通園児において0歳でCP未診断であっても3歳頃までの間に診断され, 3歳以降のCPの占める比率は60%内外で一定となる. この傾向はそのまま入園児にもみられ, CPは60~70%の比率を占める. (2) (1)の結果からは, 「最近CPは減少してきている」という傾向を見出し得なかった. (3) 現在の通園CP児の34.6%が1歳以下の初診であり, 時期的に早期治療といえるのは約1/3であった. (4) 通園児の76%が0-5歳, 入園児の76.5%が6-15歳であり, 年齢(学齢)による通園と入園の役割分担がある. (5) 運動発達レベルでみると歩行を中心とした発達は10歳頃が限界のように思える. (6) CPの類型でみると, アテトーゼを伴う年長CPの治療が残された難問と思われる. (7) 過半数の入園児が現在すでに5年以上の入園となっており, 長期収容に伴いむしろ弊害が危惧される. 質問 高知県立子鹿園 江口寿栄夫: 初診時年齢が, 地域的に相当な差があるのではないかと思いますが, 今回の統計で, 上限と下限をお教え願いたい. 答 鈴木 恒彦: 初診時年齢の地域差は非常に著明であり, 1歳以下で診断された比率は最低で12.7%の地域から最高75%以上まで多様であった. しかしそれぞれの事情があり, 結果を評価するまでには至っていない. |
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ISSN: | 0034-351X |