15. Mirror motionのmotor timeへの効果―timingについて

片麻痺患者では患側の自動介助運動の際に, 両側動作が併用される. しかし対側動作開始のtimingに関する吟味は十分でない. そこで両手動作の条件を変え反応時間(RT)の変化を検討した. A) 予告2秒後の応答信号に応じた手伸展動作RTをpremotor time (PMT), motor time (MT)に分けて測定した. 実験は(1)対側動作なし(対照), (2)対側手屈曲時, (3)対側手伸展の3条件で行ない, そのさい対側動作開始は(1)応答信号と同時(S), (2)予告と同時(C)の2通りとした. B) さらに予告後0, 2, 4, 8秒の応答信号に応じた手伸展動作のPMT, MT...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1983-09, Vol.20 (5), p.297-298
Hauptverfasser: 千田富雄, 中村隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:片麻痺患者では患側の自動介助運動の際に, 両側動作が併用される. しかし対側動作開始のtimingに関する吟味は十分でない. そこで両手動作の条件を変え反応時間(RT)の変化を検討した. A) 予告2秒後の応答信号に応じた手伸展動作RTをpremotor time (PMT), motor time (MT)に分けて測定した. 実験は(1)対側動作なし(対照), (2)対側手屈曲時, (3)対側手伸展の3条件で行ない, そのさい対側動作開始は(1)応答信号と同時(S), (2)予告と同時(C)の2通りとした. B) さらに予告後0, 2, 4, 8秒の応答信号に応じた手伸展動作のPMT, MTを測定した. 条件は(1)対側動作なし(対照), (2)予告と同時に対側手伸展.持続, とした. A) 対照に比較して両側動作では, PMTは各条件で延長した. S条件では対側手屈曲時の方が伸展時より延長は大きいが, C条件では両者は同程度の延長であった. MTはS条件では対側手屈曲時に延長し, C条件では対側手伸展時に短縮した. B) 対照に比較してPMTは予告2秒後で延長し, MTは予告2秒後に短縮した. 以上より両側動作は異なった機序を介してPMT, MTを変化させると推測される. MTはC条件で対側手伸展時に短縮した. これは対側手動作の際のmotor irradiationの影響による. その効果は予告2秒後すなわち対側手動作開始2秒後が最大である. つまり両側動作のMT短縮効果は同方向の対側動作を2秒間先行させたときに最大になると結論した.
ISSN:0034-351X