環境と免疫―アレルギー・自己免疫疾患:疫学研究を中心として
「1. はじめに」免疫は, 「疫(伝染病)から免れる」という意味で, 「感染症から体を守る仕組み」が言葉の定義である. 種々の細菌やウイルス感染から体を護り, その恒常性の維持に働く免疫は, 地球上で生物が生きていくためには不可欠な仕組みである. 自己と非自己をいかに識別しているかがその基本概念であり, その恒常性維持機構の乱れがアレルギーや自己免疫性疾患を引き起こすことになる. アレルギーは, 基本的には自己体成分ではない環境中に存在する異物に対する反応である. 自己と非自己の認識に問題はないが, その異物への反応が体にとって有害となる状態を表現している. 具体的には, 花粉, ハウスダスト...
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Veröffentlicht in: | 日本衛生学雑誌 2020, Vol.75, pp.20005 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」免疫は, 「疫(伝染病)から免れる」という意味で, 「感染症から体を守る仕組み」が言葉の定義である. 種々の細菌やウイルス感染から体を護り, その恒常性の維持に働く免疫は, 地球上で生物が生きていくためには不可欠な仕組みである. 自己と非自己をいかに識別しているかがその基本概念であり, その恒常性維持機構の乱れがアレルギーや自己免疫性疾患を引き起こすことになる. アレルギーは, 基本的には自己体成分ではない環境中に存在する異物に対する反応である. 自己と非自己の認識に問題はないが, その異物への反応が体にとって有害となる状態を表現している. 具体的には, 花粉, ハウスダスト, 食品などに対して起きる免疫の過剰反応をいう. 一方, 自己免疫疾患は, 免疫細胞が自己の組織, 細胞を攻撃することによって起きる病態である. |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.20005 |