歯科用チェアユニットの水回路の汚染に対する微酸性電解水の有効性: 7年間にわたる継続調査

「緒言」 近年, 地域包括ケアシステムの推進により, 歯科医療機関に訪れる高齢者や周術期患者は増加傾向にあり, 医療安全ならびに院内感染対策の重要性が増している. すでに, 診療用器具や機材に対する厳格な滅菌は確立しているが, 歯科用チェアユニット(ユニット)から供給される水(ユニット水)の衛生管理対策はいまだ不十分である. ユニット水の微生物汚染に関しては多数の調査が行われ, 検出される微生物の濃度は104-7CFU/mlに達するとも報告されている. 多くは土壌等に由来する低病原性の従属栄養細菌であるが, Pseudomonas, Legionella, Mycobacterium, ならび...

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Veröffentlicht in:日本衛生学雑誌 2020, Vol.75, pp.19021
Hauptverfasser: 中野, 雅子, 高尾, 亞由子, 前田, 伸子, 細矢, 哲康
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「緒言」 近年, 地域包括ケアシステムの推進により, 歯科医療機関に訪れる高齢者や周術期患者は増加傾向にあり, 医療安全ならびに院内感染対策の重要性が増している. すでに, 診療用器具や機材に対する厳格な滅菌は確立しているが, 歯科用チェアユニット(ユニット)から供給される水(ユニット水)の衛生管理対策はいまだ不十分である. ユニット水の微生物汚染に関しては多数の調査が行われ, 検出される微生物の濃度は104-7CFU/mlに達するとも報告されている. 多くは土壌等に由来する低病原性の従属栄養細菌であるが, Pseudomonas, Legionella, Mycobacterium, ならびにCandidaなどが検出されたとの報告もある. Legionellaに関しては, イタリアで起きた歯科治療後の感染による死亡事例や, スウェーデンでの同様の事例が報告されており, 米国やEUにおいてユニット水の汚染対策が強化されるきっかけとなった.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.19021