第83回日本衛生学術総会 (金沢) でのミニシンポジウム「映像技術と衛生学」に関連したミニ特集について

デジタル画像・映像が氾濫する時代において, 視環境が介在する視聴の安全性を検討することは衛生学的に意義深い. 加えて, 就寝前の画像視聴はその直後の睡眠の質にも影響すると考えられるようになり, 当該分野は学際的な広がりを見せつつある. そこで, 第83回日本衛生学術総会(金沢)ではミニシンポジウム「映像技術と衛生学」を企画した. 日本衛生学会研究活性化基金による若手プロジェクト研究として2011年度より助成を受けた「立体映像の長時間曝露が生体に及ぼす影響」とその関連テーマについて, 宮尾克(名大), 高田宗樹(福井大), 高田真澄(愛知医科大), 松浦康之(福井大), 塩沢友規(青山学院大)の...

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Veröffentlicht in:日本衛生学雑誌 2016, Vol.71 (1), p.1-1
Hauptverfasser: 高田宗樹, 高田真澄, 塩沢友規
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:デジタル画像・映像が氾濫する時代において, 視環境が介在する視聴の安全性を検討することは衛生学的に意義深い. 加えて, 就寝前の画像視聴はその直後の睡眠の質にも影響すると考えられるようになり, 当該分野は学際的な広がりを見せつつある. そこで, 第83回日本衛生学術総会(金沢)ではミニシンポジウム「映像技術と衛生学」を企画した. 日本衛生学会研究活性化基金による若手プロジェクト研究として2011年度より助成を受けた「立体映像の長時間曝露が生体に及ぼす影響」とその関連テーマについて, 宮尾克(名大), 高田宗樹(福井大), 高田真澄(愛知医科大), 松浦康之(福井大), 塩沢友規(青山学院大)の各先生に, それぞれ, 「電子ペーパーの衛生学的評価」, 「映像酔いを定量的に評価するための重心動揺検査」, 「立体映像の長時間曝露が生体に及ぼす影響」, 「立体映像視聴時における水晶体-輻輳調節反応」, 「立体映像のバイオフィードバックトレーニングへの応用」と題して最先端の研究成果のご紹介を行って頂いた. 本ミニ特集では, このうち, 松浦康之先生から「立体映像刺激による映像酔いの生体影響」の総説をご提供いただいた. このミニシンポジウム「映像技術と衛生学」を基礎として, 2013年度から「快適・安全な画像視聴に関する」連携研究会が発足し, 第84回日本衛生学術総会(岡山)にて「立体映像による3D酔いの原因の特定と対策」と題して自由集会を実施した. そこでは, 宮尾克先生(名大)および高田宗樹先生(福井大)に, それぞれ, 「3D立体映像と電子ペーパーの今日的到達点」, 「映像曝露が生体に及ぼす影響に関する議論」と題して当該分野の研究動向を解説して頂いた. そこでは, 立体映像およびその表示媒体に関する衛生学的な評価に加え, その応用や電子ペーパー・新型の影響ディスプレイなどの評価に関する研究を紹介し, 安全な映像視聴に関するガイドラインを低減するための指針についてまとめた. 本ミニ特集では, これらの先生の研究グループに所属する吉川一輝, 杉浦明弘, 木下史也各先生(名大)から原著論文「立体映像の飛び出し認知限界に関する研究」, 「往復運動映像観視における重心動揺の時間特徴解析」, および「長時間の立体映像視聴が体平衡系および自律神経系に及ぼす影響」をご寄稿頂き, 編集することにした. 映像技術の進歩は目覚しく, 4KTVに加え, 昨年来8KTV(スーパーハイビジョン)が公開されるようになった. 当該分野の進展が益々期待される.
ISSN:0021-5082