トリブチルスズによる制御性T細胞のアポトーシス誘導: アレルギー疾患増悪への関与
「緒言」わが国は, 近海の豊富な海産物を古くから食事として利用してきた. しかし近年, 環境化学物質による生活環境汚染の拡大が重大な問題となり, 魚介類に残留する環境化学物質についてもヒトへの健康影響の懸念が高まっている. トリブチルスズ(Tributyltin; TBT)は軟体動物や藻類に対する毒性を有することから, 漁網や船底の防汚剤として日本をはじめ世界中で広く使用されてきた. しかしTBTの使用増加に伴って, 船底塗料や漁網から海水に溶け出したTBTが養殖カキの生育異常など, 防汚対象外の生物にまで影響を及ぼすことが明らかになり, TBTの使用規制が多数の国でなされ(1), わが国でも...
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Veröffentlicht in: | 日本衛生学雑誌 2010, Vol.65(4), pp.530-535 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」わが国は, 近海の豊富な海産物を古くから食事として利用してきた. しかし近年, 環境化学物質による生活環境汚染の拡大が重大な問題となり, 魚介類に残留する環境化学物質についてもヒトへの健康影響の懸念が高まっている. トリブチルスズ(Tributyltin; TBT)は軟体動物や藻類に対する毒性を有することから, 漁網や船底の防汚剤として日本をはじめ世界中で広く使用されてきた. しかしTBTの使用増加に伴って, 船底塗料や漁網から海水に溶け出したTBTが養殖カキの生育異常など, 防汚対象外の生物にまで影響を及ぼすことが明らかになり, TBTの使用規制が多数の国でなされ(1), わが国でも平成2年にTBTの使用禁止措置がとられた. その結果, TBTの海水濃度においては減少傾向にあるが, 海底質中ではいまだTBTの残留が顕著である(1). また, 有機スズは生物濃縮され(2), 鱈やカレイ, ニシンなどの海産物に汚染が確認されている(3,4). |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.65.530 |