P185 健診・レセプト突合データを用いた受診行動分析-健診結果別受診割合
【はじめに】生活習慣病予防対策は, 自覚症状を伴わない早期からの介入と継続的なコントロールが重要である. そのためには, 対象者の階層化と介入の効果を評価することが必要となる. このような中, 我が国では糖尿病等の生活習慣病予備軍の25%減少を目指し, 2008年度からの保健指導の義務化と, その効果的な実施と評価のために健診・レセプト突合データを用いることを予定している. 本研究では健診・レセプト突合データを用いて生活習慣病に関わる健診結果と医療機関受診との関連を分析し, 生活習慣病受診の現状を把握するとともに, 保健指導義務化による影響を推測することを目的とする. 【対象と方法】対象は二つ...
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Veröffentlicht in: | 日本衛生学雑誌 2007, Vol.62 (2), p.509-509 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】生活習慣病予防対策は, 自覚症状を伴わない早期からの介入と継続的なコントロールが重要である. そのためには, 対象者の階層化と介入の効果を評価することが必要となる. このような中, 我が国では糖尿病等の生活習慣病予備軍の25%減少を目指し, 2008年度からの保健指導の義務化と, その効果的な実施と評価のために健診・レセプト突合データを用いることを予定している. 本研究では健診・レセプト突合データを用いて生活習慣病に関わる健診結果と医療機関受診との関連を分析し, 生活習慣病受診の現状を把握するとともに, 保健指導義務化による影響を推測することを目的とする. 【対象と方法】対象は二つの健康保険組合(被保険者計70,776名)の男女40歳以上で, 2003年~2005年の間に健康診断を一度でも受診したことのある14,459名である(男性9,243名, 女性5,216名). これら対象者を含む健診データに2005年1月から12月分のレセプトデータを連結匿名化したものを, 株式会社日本医療データセンターGMDC)より提供を受け, これをデータセットとして用いた. 健診データよりBMI, HbA1C, 空腹時血糖, 収縮時血圧, 拡張期血圧, 総コレステロール, 中性脂肪のデータを解析に使用した. レセプト記載傷病名はJMDCが開発したICD-10対応標準マスターによりICD-10疾患コードに変換し, E10-14を糖尿病, E780-785を高脂血症, I10-15を高血圧症での「受診あり」とした. 【結果】2005年の健診結果と受診行動との関連を調べた結果, 厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」で定める受診勧奨レベルであるHbA1c6.1%以上, 中性脂肪150mg/dl以上, 拡張期血圧90mmHg以上の値を示した者のうち, 糖尿病, 高脂血症, 高血圧症, それぞれにおける受診者割合は, 順に59.6%, 23.2%, 37.9%であった. いずれの健診値も上昇につれ受診者割合は増大し, HbA1cは6.5以上では約65%, 拡張期血圧は100以上では約50%が受診していた. 一方, 中性脂肪, 総コレステロールは300以上で, いずれも男性の受診者割合は約30%に留まった. 【考察】健診・レセプト突合データにより, 受診勧奨レベルの多くの者が医療機関を受診していないことがわかった. 保健指導義務化により生活習慣病による大幅な受診増大の可能性がある. 今後は効果的・効率的な保健指導について検討を進める必要があろう. |
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ISSN: | 0021-5082 |