P158 PFOS(Perfluorooctane sulfonate)によって引き起こされる口蓋裂のメカニズムについて
【背景・目的】PFOS(Perfluorooctane sulfonate)とは, 人工有機フッ素化合物で, 化審法第2種監視化学物質に指定されており, 催奇形性が報告されている. そのうち口蓋裂については, 妊娠したマウスにGD1~17日目まで経口投与することで, 胎児の約80%に発生することが報告されている(Julie R et al. Toxcol. sci74, 369-381). しかし, そのメカニズムは不明である. そこで, 我々は, ICRマウスを用いてPFOSによって誘導される口蓋裂発生のメカニズムについて, in vivo, in vitroでの検討を行った. 【方法】PF...
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Veröffentlicht in: | 日本衛生学雑誌 2007, Vol.62 (2), p.482-482 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景・目的】PFOS(Perfluorooctane sulfonate)とは, 人工有機フッ素化合物で, 化審法第2種監視化学物質に指定されており, 催奇形性が報告されている. そのうち口蓋裂については, 妊娠したマウスにGD1~17日目まで経口投与することで, 胎児の約80%に発生することが報告されている(Julie R et al. Toxcol. sci74, 369-381). しかし, そのメカニズムは不明である. そこで, 我々は, ICRマウスを用いてPFOSによって誘導される口蓋裂発生のメカニズムについて, in vivo, in vitroでの検討を行った. 【方法】PFOSによって誘導される口蓋裂の再現性を確認するため, (Julie R et al. Toxcol. Sci74, 369-381)と同様に, 妊娠したICRマウスを用い1. 妊娠1日目から17日目までPFOSを20mg/kg連日経口投与した. さらに口蓋発生期間である2. 妊娠11日目から15日目にPFOSを100mg/kg, 5日間同様に投与した. 次に, in vitroでのPFOS濃度感受性を調べるために, 妊娠14日目の母親から, 胎仔の口蓋部分を取り出し, PFOSを種々の濃度で添加した培地を, 瀧川ら(Int. J. Dev. Biol. 48, 307-317)の方法を用いて48時間培養し, 3. 口蓋突起の癒合の割合を調べた. 【結果・考察】1では, 口蓋裂が80%近く安定した頻度で起こり, Julie Rらの実験の再現性が確認できた. また, 2では, 発生頻度が0%~33%と個体差が大きいことがわかった. これらの結果より, 口蓋裂の発生には, 体内での蓄積性が関係していることが示唆される. 3のin vitro実験では, 1mM PFOS添加培地のみで口蓋突起の癒合が完全に阻害された. (本研究は, 京都大学大学院医学研究科形態形成機構学分野, 滝川俊也助手, 塩田浩平教授との共同研究である. ) |
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ISSN: | 0021-5082 |