P157 MDMAおよびN-ニトロソMDMAの染色体構造異常誘発について

【目的】昨今, 合成麻薬3,4-methylenedioxymethamphetamine(MDMA)錠剤の乱用が急速に拡大しており, 我が国でも看過ごすことのできない状況にある. MDMAの神経毒性についての研究報告はあるが, 遺伝毒性についての報告はなく, 2級アミンであるMDMAを経口摂取すると, 胃内酸性下で食物由来の亜硝酸と反応してN-ニトロソMDMA(N-MDMA)の生成が懸念される. 多くのN-ニトロソ化合物は変異原性や発がん性を示すことが報告されている. N-MDMAのin vitro小核試験による変異原性については既に報告したことから, 今回in vitro染色体構造異常試験...

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Veröffentlicht in:日本衛生学雑誌 2007, Vol.62 (2), p.481-481
Hauptverfasser: 吉岡早戸, 冨山吉光, 清水英佑
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】昨今, 合成麻薬3,4-methylenedioxymethamphetamine(MDMA)錠剤の乱用が急速に拡大しており, 我が国でも看過ごすことのできない状況にある. MDMAの神経毒性についての研究報告はあるが, 遺伝毒性についての報告はなく, 2級アミンであるMDMAを経口摂取すると, 胃内酸性下で食物由来の亜硝酸と反応してN-ニトロソMDMA(N-MDMA)の生成が懸念される. 多くのN-ニトロソ化合物は変異原性や発がん性を示すことが報告されている. N-MDMAのin vitro小核試験による変異原性については既に報告したことから, 今回in vitro染色体構造異常試験の結果を報告する. 【方法】厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部より入手したMDMA含有錠剤から不純物を除き, MDMA塩酸塩(MDMA)を抽出及び精製し, N-MDMAを合成した. これらMDMA及びN-MDMAについて, チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞株(CHMU)を用いたin vitro染色体構造異常試験(連続処理, 短時間処理)を行った. 短時間処理ではラット, ハムスターから作成したS9mixを用いた.
ISSN:0021-5082