睡眠時間と酸化ストレスマーカー,尿中8-Hydroxy-2'-Deoxyguanosine

近年, 睡眠が健康の様々な側面に影響を及ぼすことが明らかにされつつあり注目を集めるようになってきた(1-3). 睡眠時間について言えば, ほとんどの産業先進国で減少傾向にあり, 日本ではここ5年で睡眠時間が平均して6.24分程度短いことが報告されており(4), これがどのように健康に影響しているかを評価することは杜会的にも重要となっている. 睡眠時間と酸化ストレスとの関連では, 断眠による酸化ストレス負荷の増強が報告されている. 例えばラットを断眠すると脳の視床下部においてGSHが有意に低くなること(5), 海馬と小脳におけるSOD値が低下すること(6)等から酸化ストレスが増強されることが示さ...

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Veröffentlicht in:日本衛生学雑誌 2006, Vol.61 (3), p.357-365
Hauptverfasser: 松本由紀, 小川康恭, 吉田吏江, 中田光紀, 葛西 宏, 大場謙一, 太田久吉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 睡眠が健康の様々な側面に影響を及ぼすことが明らかにされつつあり注目を集めるようになってきた(1-3). 睡眠時間について言えば, ほとんどの産業先進国で減少傾向にあり, 日本ではここ5年で睡眠時間が平均して6.24分程度短いことが報告されており(4), これがどのように健康に影響しているかを評価することは杜会的にも重要となっている. 睡眠時間と酸化ストレスとの関連では, 断眠による酸化ストレス負荷の増強が報告されている. 例えばラットを断眠すると脳の視床下部においてGSHが有意に低くなること(5), 海馬と小脳におけるSOD値が低下すること(6)等から酸化ストレスが増強されることが示されている. 一方, 睡眠中の生理作用として, 脳内の酸化ストレス負荷が睡眠により減少するという間接的た証拠も報告されている. 例えば, 夜間に分泌が増大するメラトニンには抗酸化作用があること(7), 中枢神経系の神経組織に障害が出ない範囲で酸化ストレスを負荷すると睡眠誘導物質であるアデノシンやNOが増加して睡眠時間が増えること(8)等が報告されている.
ISSN:0021-5082