「核の細胞遺伝学」からゲノム解析を武器に 「細胞質の細胞遺伝学」の展開へ

数年前まで, 自分が真核生物のもつ3ゲノムのすべての完全解読(100%)者になるなど夢にも思わなかった. コンティグ, リード, BACすらなんのことか分からなかった. まして, 半年前に苦労して書きあげNatureに投稿した論文が, この時期に発表されたすべての生物学分野の論文のなかで, 肺がんの研究に続いて3位に評価される(http://www.facultyof1000.com/home/)など. しかしよく自分の研究の流れを考えてみると, ゲノム解読には数年と短期間であったが, 実際にその準備には40年もの長い年月と, 多くの学生や研究者の協力が関っているからある程度当然ともいえる....

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Veröffentlicht in:Genes & Genetic Systems 2004, Vol.79 (3), p.12-19
1. Verfasser: 黒岩常祥
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:数年前まで, 自分が真核生物のもつ3ゲノムのすべての完全解読(100%)者になるなど夢にも思わなかった. コンティグ, リード, BACすらなんのことか分からなかった. まして, 半年前に苦労して書きあげNatureに投稿した論文が, この時期に発表されたすべての生物学分野の論文のなかで, 肺がんの研究に続いて3位に評価される(http://www.facultyof1000.com/home/)など. しかしよく自分の研究の流れを考えてみると, ゲノム解読には数年と短期間であったが, 実際にその準備には40年もの長い年月と, 多くの学生や研究者の協力が関っているからある程度当然ともいえる. 1999年, 故丸山工作先生の依頼ではじめての単著書, 高校生に贈る「細胞はどのように生まれた」を書き, 翌年それを基本に一般的な著書「ミトコンドリアはどこからきたか」をまとめた. いずれも私的な研究部分が面白いとの評判であった. 当然のことであるが東大を定年退職する時の冊子にも研究歴をまとめたが, とりわけ研究歴が知れ渡ったのは, 昨年7月, JT生命誌「20世紀において独自の科学を開拓……」のScientist libralyのネットや本に載ってからであろう.
ISSN:1341-7568