ラット前十字靭帯由来線維芽細胞の細胞遊走能は膝蓋下脂肪体との共培養により向上する

【目的】前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament:以下,ACL)の損傷後における保存療法の実現にはACL を構成する線維芽細胞の活性化が必要である。そこで隣接する脂肪組織である膝蓋下脂肪体に着目し,細胞間相互作用によるACL 由来線維芽細胞の活性化を検証することを目的として培養実験を行った。【方法】Wistar 系雄性ラットのACL から線維芽細胞を分散し,第3 継代の細胞を実験に用いた。単培養を行うMono-culture 群と,膝蓋下脂肪体との共培養を行うCo-culture 群に対し,生体外創傷治癒試験およびRealtime qPCR 解析による遺伝子発現量の調査...

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Veröffentlicht in:基礎理学療法学 2024, Vol.27(1), pp.16-24
Hauptverfasser: 寺田, 秀伸, 小島, 拓真, 高須, 千晴, 川端, 空, 二瓶, 孝太, 高柳, 清美, 金村, 尚彦, 村田, 健児
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament:以下,ACL)の損傷後における保存療法の実現にはACL を構成する線維芽細胞の活性化が必要である。そこで隣接する脂肪組織である膝蓋下脂肪体に着目し,細胞間相互作用によるACL 由来線維芽細胞の活性化を検証することを目的として培養実験を行った。【方法】Wistar 系雄性ラットのACL から線維芽細胞を分散し,第3 継代の細胞を実験に用いた。単培養を行うMono-culture 群と,膝蓋下脂肪体との共培養を行うCo-culture 群に対し,生体外創傷治癒試験およびRealtime qPCR 解析による遺伝子発現量の調査を行った。【結果】生体外創傷治癒試験では,Mono-culture 群と比較しCo-culture 群において創傷部への有意な細胞浸潤を認めた。しかし,浸潤した細胞数に差は認めず,線維芽細胞の増殖や遊走に関与するTGFβ1 の遺伝子発現量にも有意差を認めなかった。【結論】膝蓋下脂肪体との共培養によりACL 由来線維芽細胞の遊走能が向上することが示唆されたが,そのメカニズムについてはさらなる解析が必要である。
ISSN:2436-6382
2436-6382
DOI:10.24780/jjptf.JJPTF_2023-08