眼サルコイドーシスに過敏性肺臓炎を併発したと考えられる一例
症例は, 76歳男性. 1999年9月, 呼吸困難を自覚し近医受診. 肺期重と診断され投薬をうけるも, その後中断. 同年10月, 飛蚊症にて同院眼科を受診. ブドウ膜炎を指摘され, 結膜生検の結果, 病理所見にて類上皮細胞肉芽腫を認め, 眼サルコイドーシスと診断され, 点眼薬の治療が開始された. 同年12月に呼吸困難を自覚し, 再び近医受診. 胸部X線上右中下肺野を中心にスリガラス様陰影を認め, PaO2 51.5 Torr, PaCO2 35.9 Torr, と低酸素血症もみられたため, 当院へ紹介入院となった. 胸部CT上, びまん性に淡い濃度上昇を認め, 血清ACE 11.5IU/L,...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 症例は, 76歳男性. 1999年9月, 呼吸困難を自覚し近医受診. 肺期重と診断され投薬をうけるも, その後中断. 同年10月, 飛蚊症にて同院眼科を受診. ブドウ膜炎を指摘され, 結膜生検の結果, 病理所見にて類上皮細胞肉芽腫を認め, 眼サルコイドーシスと診断され, 点眼薬の治療が開始された. 同年12月に呼吸困難を自覚し, 再び近医受診. 胸部X線上右中下肺野を中心にスリガラス様陰影を認め, PaO2 51.5 Torr, PaCO2 35.9 Torr, と低酸素血症もみられたため, 当院へ紹介入院となった. 胸部CT上, びまん性に淡い濃度上昇を認め, 血清ACE 11.5IU/L, 血清リゾチーム14.2μg/mlであった. TBLBの結果, 肺胞壁と肺胞腔内に類上皮細胞の集塊がみられ, 過敏性肺臓炎が最も疑われる病理所見であった. 抗トリコスポロン抗体, 各種ウイルス抗体などは陰性であったが, 入院後, 無治療で自覚症状および胸部CT上のびまん性の濃度上昇は改善し, 臨床経過としては過敏性肺臓炎に一致する所見であった. 本症例が眼サ症と過敏性肺臓炎の合併なのか否かは興味深いところであり, 肉芽腫形成性疾患を考える上で貴重な症例と考えられた. |
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ISSN: | 1345-0565 |