全身性多発性リンパ節腫脹を呈し悪性リンパ腫との鑑別が困難であったサルコイドーシスの一例

26歳, 女性. 1998年4月頃から両側頚部リンパ節腫脹を自覚していたが, 無痛性であったため放置していた. 同年6月の会社検診の胸部X線写真にて, 上縦隔の異常陰影を指摘され, 当科へ紹介入院となった. CTスキャンにて縦隔リンパ節, 後腹膜リンパ節をはじめとして広汎な全身性リンパ節腫脹が認められ, ガリウムシンチグラムにて両側耳下腺, 顎下部, 頚部, 腋窩部, 縦隔, そ径部, 腹部正中に多発性の異常集積があった. また, 血清LDH (788IU/L) や可溶性インターロイキン2受容体 (sIL-2R) が高値 (4621U/ml) であり, 臨床的に悪性リンパ腫も疑われたが, 頚部...

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Veröffentlicht in:サルコイドーシス/肉芽腫性疾患 2001/10/12, Vol.21(1), pp.79-83
Hauptverfasser: 吉村, 力, 渡辺, 憲太朗, 山本, 文夫, 荒牧, 竜太郎, 井上, 順, 吉田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:26歳, 女性. 1998年4月頃から両側頚部リンパ節腫脹を自覚していたが, 無痛性であったため放置していた. 同年6月の会社検診の胸部X線写真にて, 上縦隔の異常陰影を指摘され, 当科へ紹介入院となった. CTスキャンにて縦隔リンパ節, 後腹膜リンパ節をはじめとして広汎な全身性リンパ節腫脹が認められ, ガリウムシンチグラムにて両側耳下腺, 顎下部, 頚部, 腋窩部, 縦隔, そ径部, 腹部正中に多発性の異常集積があった. また, 血清LDH (788IU/L) や可溶性インターロイキン2受容体 (sIL-2R) が高値 (4621U/ml) であり, 臨床的に悪性リンパ腫も疑われたが, 頚部リンパ節生検でサルコイドーシスの確定診断を得た. 全身性リンパ節腫脹が著明であり, 眼病変も存在していたので, プレドニゾロン30mg/日連日の経口投与が開始された. 腫大したリンパ節はいったん縮小したが, 治療開始半年後縦隔リンパ節が再び大きくなった. しかしその後はステロイドを再増量することなく縮小した. 後腹膜リンパ節をはじめとする全身性リンパ節腫脹を呈するサルコイドーシス症例はまれであり報告する.
ISSN:1345-0565
1884-6122
DOI:10.14830/jssog1999.21.79