骨病変を伴ったサルコイドーシスの臨床的検討

「要旨」過去10年間に組織学的にサルコイドーシスと診断した317例のうち, 骨病変を伴っていた症例は5例で, 頻度は1.6%であった. 全例が女性であり, 発症年齢は20歳から45歳であった. 症状は腫れと痛みで, 手指が3例, 足関節が2例であった. 3例に67Ga citrateシンチグラフィ, 全例に骨シンチグラフィを行い, 両手指, 両足趾, 両足関節, 四肢長管骨などに局所性に高度の集積がみられた. 骨シンチグラフィで集積がみられた手指と足趾の部位に一致して, 単純X線写真ではレース状と嚢胞状の溶骨性変化があり, MRIではT1強調像で低信号域の骨病変がみられた. これらの画像所見か...

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Veröffentlicht in:日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 2024-10, Vol.44 (1/2), p.64-69
Hauptverfasser: 四十坊典晴, 亀田優美, 高橋晴香, 市村志保, 伊藤峰幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」過去10年間に組織学的にサルコイドーシスと診断した317例のうち, 骨病変を伴っていた症例は5例で, 頻度は1.6%であった. 全例が女性であり, 発症年齢は20歳から45歳であった. 症状は腫れと痛みで, 手指が3例, 足関節が2例であった. 3例に67Ga citrateシンチグラフィ, 全例に骨シンチグラフィを行い, 両手指, 両足趾, 両足関節, 四肢長管骨などに局所性に高度の集積がみられた. 骨シンチグラフィで集積がみられた手指と足趾の部位に一致して, 単純X線写真ではレース状と嚢胞状の溶骨性変化があり, MRIではT1強調像で低信号域の骨病変がみられた. これらの画像所見から骨サルコイドーシスと臨床診断した. 全例で日常生活に支障を来す症状があり, ステロイド治療(初期投与量プレドニゾロン10~30mg/日)を行い, 改善があり, 2例でメトトレキサートを併用した. 罹患臓器数は4臓器が2例で, 5臓器以上が3例であり, 多臓器病変を伴ったサルコイドーシスであった.
ISSN:1883-1273