蝶形骨内髄膜腫を合併した神経サルコイドーシスの1例
症例は56 歳,女性.乳癌の既往あり.2010 年5月より霧視と羞明感を自覚していた.同年9月に頭痛,難聴および右顔面神経麻痺が出現し,近医にて髄膜炎と診断されたが,頭部MRIで右蝶形骨内に造影される腫瘤を認め,当院転院となった.神経学的に右末梢性顔面神経麻痺,両側難聴,項部硬直,小脳失調および下肢異常感覚を認めた.ACE高値,ツベルクリン反応の陰転化,CD4/CD8 比の増加,両側肺門リンパ節腫脹およびGa シンチグラフィ集積像を認めた.経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が指摘され,神経サルコイドーシス(組織診断群/probable群)と診断した.右蝶形骨内の腫瘤は,外科的生検の結果...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 2012/09/27, Vol.32(1), pp.145-152 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は56 歳,女性.乳癌の既往あり.2010 年5月より霧視と羞明感を自覚していた.同年9月に頭痛,難聴および右顔面神経麻痺が出現し,近医にて髄膜炎と診断されたが,頭部MRIで右蝶形骨内に造影される腫瘤を認め,当院転院となった.神経学的に右末梢性顔面神経麻痺,両側難聴,項部硬直,小脳失調および下肢異常感覚を認めた.ACE高値,ツベルクリン反応の陰転化,CD4/CD8 比の増加,両側肺門リンパ節腫脹およびGa シンチグラフィ集積像を認めた.経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が指摘され,神経サルコイドーシス(組織診断群/probable群)と診断した.右蝶形骨内の腫瘤は,外科的生検の結果whorl formationの存在,vimentinおよび S-100蛋白陽性から髄膜腫と診断した.サルコイドーシスに頭蓋内腫瘤を認めた場合,腫瘍との鑑別が困難である場合が多いため,外科的生検が必要である. |
---|---|
ISSN: | 1883-1273 1884-6114 |
DOI: | 10.7878/jjsogd.32.145 |