急速な経過を辿ったスズメバチ刺傷による多臓器不全の1例

68歳男性。スズメバチに70箇所以上を刺され前医に入院となった。意識清明であったが受傷15時間後より,呼吸・循環不全を呈し,受傷24時間後に当院ICUへ収容となった。血液生化学検査では腎障害に加え,肝逸脱酵素とクレアチニンキナーゼの上昇を認めた。重篤な多臓器不全の状態であり,人工呼吸管理,循環管理,持続的血液濾過透析を含めた集学的治療を施行したが全身状態の改善なく,受傷34時間後に死亡した。ハチ毒は生体への直接的な傷害から多臓器不全を生じ,中毒死を起こすことがある。刺傷数が多い場合にはアナフィラキシーショックへの対応のみならず,ハチ毒中毒の合併を念頭に早期の集学的治療が重要である。...

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Veröffentlicht in:蘇生 2020/04/01, Vol.39(1), pp.11-15
Hauptverfasser: 矢野, 倫太郎, 関野, 元裕, 山下, 和範, 三好, 宏, 原, 哲也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:68歳男性。スズメバチに70箇所以上を刺され前医に入院となった。意識清明であったが受傷15時間後より,呼吸・循環不全を呈し,受傷24時間後に当院ICUへ収容となった。血液生化学検査では腎障害に加え,肝逸脱酵素とクレアチニンキナーゼの上昇を認めた。重篤な多臓器不全の状態であり,人工呼吸管理,循環管理,持続的血液濾過透析を含めた集学的治療を施行したが全身状態の改善なく,受傷34時間後に死亡した。ハチ毒は生体への直接的な傷害から多臓器不全を生じ,中毒死を起こすことがある。刺傷数が多い場合にはアナフィラキシーショックへの対応のみならず,ハチ毒中毒の合併を念頭に早期の集学的治療が重要である。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.39.1_11