長野県上伊那地区におけるACLS教育の現況

当院は当地区の3次救急を担う総合病院である. 地域医療の中心である救急医療体制のレベル向上のため, 当地区の消防署と協力し2001年6月よりACLS教育に着手した. 2001年6月から2002年3月まではACLSの認知度を上げることに努め以下のことを行った. 1. 出来るだけ多くの病院職員に口頭でACLSの内容を伝えた. 2. 院内LANにて「私のACLS体験記」を連載した. 3. ACLSプロバイダーコースを当院主催で企画し講師, 受講生ともに院外にも広く求めた. 4. ACLSプロバイダーコースを成功させる為, 病院全職員に対し協力を求めた. 5. ACLSプロバイダーコースを地方のメディ...

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Hauptverfasser: 大房幸浩, 藤本和法, 宜保浩彦, 森川明夫, 宮澤幸一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院は当地区の3次救急を担う総合病院である. 地域医療の中心である救急医療体制のレベル向上のため, 当地区の消防署と協力し2001年6月よりACLS教育に着手した. 2001年6月から2002年3月まではACLSの認知度を上げることに努め以下のことを行った. 1. 出来るだけ多くの病院職員に口頭でACLSの内容を伝えた. 2. 院内LANにて「私のACLS体験記」を連載した. 3. ACLSプロバイダーコースを当院主催で企画し講師, 受講生ともに院外にも広く求めた. 4. ACLSプロバイダーコースを成功させる為, 病院全職員に対し協力を求めた. 5. ACLSプロバイダーコースを地方のメディアに取り上げていただいた. その結果2002年4月の病院全職員へのアンケート調査ではACLSの認知度は23%から88%へと変化した. 2002年4月以降現在にいたるまではACLSコースを自主開催し内容の普及に努めた. その結果2003年4月から2003年3月までと2003年4月から9月までを比較し主だった変化としては, 1. 以前は廃棄されていたリザーバーバッグが全てのバッグバルブマスクに装着された. 2. 薬剤の心室内投与は行われなくなった. 3. 心静止に除細動を行わなくなった. 4. エピネフリンの投与法と投与量が統一された. 5. 心室細動時の除細動の強さが統一された. その他の一部の変化としては1. 消防署と協力してACLSコースを開催したため救急救命士を含めた消防隊員とのコミュニケーションが良好になった. 2. 救急現場とのホットラインでの連携がスムーズになった. 3. ACLS講習会に参加しない医師であっても正しい手順で心室細動の処置を行うようになった. 4. 積極的に救急教育の指導を心掛ける者が出てきた. 5. BTLS等, 更なるステップアップを目指す者が出てきた.
ISSN:0288-4348