低酸素負荷および一酸化炭素暴露が脳内アセチルコリン放出に及ぼす影響
低酸素状態および一酸化炭素暴露は神経細胞に低酸素状態を引き起こす点では一致するが, 一酸化炭素についてはそれ自身の神経毒性が言われている. 本研究では, マイクロダイアリーシス法を用いて低酸素状態および一酸化炭素暴露における脳内アセチルコリンの動態を測定し, 両者の差異を検討した. 【方法】Wistarラットを用い, 実験前日にペントバルビタール麻酔下に脳固定装置を用いダミーカニューラを挿入した. 実験当日, ラットをガス吸入用のプラスチックボックスに入れた後, ダミーカニューラを微小透析用プローブに交換した. 交換120分後より透析液流量2μl/min, 透析液採取を15分毎としてマイクロダ...
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Veröffentlicht in: | 蘇生 2003, Vol.22 (3), p.191-191 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 低酸素状態および一酸化炭素暴露は神経細胞に低酸素状態を引き起こす点では一致するが, 一酸化炭素についてはそれ自身の神経毒性が言われている. 本研究では, マイクロダイアリーシス法を用いて低酸素状態および一酸化炭素暴露における脳内アセチルコリンの動態を測定し, 両者の差異を検討した. 【方法】Wistarラットを用い, 実験前日にペントバルビタール麻酔下に脳固定装置を用いダミーカニューラを挿入した. 実験当日, ラットをガス吸入用のプラスチックボックスに入れた後, ダミーカニューラを微小透析用プローブに交換した. 交換120分後より透析液流量2μl/min, 透析液採取を15分毎としてマイクロダイアリーシスを開始した. 60分間のコントロール測定後, 低酸素負荷(酸素5%, 窒素95%)あるいは一酸化炭素暴露(一酸化炭素濃度2000ppmの空気)を60分間行ない, その後3時間測定を続けた. アセチルコリンは, 酵素カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(Eicom社微量生体試料分析システム)で測定した. 実験はアセチルコリンの日内変動を考慮し午前8時から午後5時までの間に行なった. 【結果】低酸素負荷30分後でアセチルコリンは増力傾向を示し, 負荷終了後も前値より高い傾向にあるが有意ではなかった. 一酸化炭素暴露では, 吸入中は前値に比べ有意に高値を示し, 吸入後低下傾向を示すが吸入150分以降に再び有意に高値を示した. 両群間に有意な変化はないが, 一酸化炭素暴露では低酸素負荷に比べて大きな変化を示す傾向にあった. 【考案】本研究におけるアセチルコリン放出の変動は, 低酸素群で軽度であり, 一酸化炭素暴露では暴露後長期においても有意に高い変動を示していた. 以上より一酸化炭素暴露では低酸素負荷に比べて神経細胞障害が長期に続く可能性が考えられる. |
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ISSN: | 0288-4348 |