病院外心停止後救命例の予後と問題点

近年, 本邦において病院外心停止患者の予後をウツタイン様式に基づき調査することが一般的となり, バイ, スタンダーCPRや早期除細動の重要性が強調されている. 一方, 病院外心肺停止後救命例の予後を人工呼吸期間, ICU滞在日数, 在院日数と比較して検討することは, 患者のQOLばかりでなく医療経済の面からも重要と思われる. [方法] 1999年1月から2003年6月までに当院に救急搬送された病院外心停止患者359例のうち1週間以上生存した44例を対象とした. 10例(男8例, 女2例, 65±8歳)は生存退院したが(1群), 7例(男3例, 女4例, 62±14歳)はICUで治療中に死亡し(...

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Hauptverfasser: 小玉忠知, 行岡秀和, 加藤昇, 栗田聡, 五谷寛之
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:近年, 本邦において病院外心停止患者の予後をウツタイン様式に基づき調査することが一般的となり, バイ, スタンダーCPRや早期除細動の重要性が強調されている. 一方, 病院外心肺停止後救命例の予後を人工呼吸期間, ICU滞在日数, 在院日数と比較して検討することは, 患者のQOLばかりでなく医療経済の面からも重要と思われる. [方法] 1999年1月から2003年6月までに当院に救急搬送された病院外心停止患者359例のうち1週間以上生存した44例を対象とした. 10例(男8例, 女2例, 65±8歳)は生存退院したが(1群), 7例(男3例, 女4例, 62±14歳)はICUで治療中に死亡し(2群), 15例(男7例, 女8例, 69±14歳)は救急病棟転棟後に死亡した(3群). 残りの12例(男7例, 女5例, 67±18歳)は救急病棟転棟後も重度意識障害が続き, 改善を認めないまま転院した(4群). [結果] 1群は入院7日目にはJCS 0~10に改善し, ICU滞在日数は7.3±6.8日, 在院日数は34.7±25.6日であった. 2, 3群のJCSは全経過を通じて200~300であり, ICU滞在日数はそれぞれ15.4±9.3日, 10.4±4.9日であり, 3群の在院日数は22.9±12.5日であった. 2群は全例気管切開は施行されず, 3群では1例のみに施行されていも2ならび3群の人工呼吸器離脱はそれぞれ1例と2例であった. 4群のJCSは200~300であり, ICU滞在日数は9.2±7.3日, 在院日数は88.3±429日であった. 気管切開施行例は11例で, すべて人工呼吸器離脱が可能であり, 人工呼吸日数は22.8±15.8日であった. [考察] 11週間以上生存した患者のうち院内死亡は50%を占めた. 生存退院患者は23%であり, ICU滞在日数は約1週間, 在院日数は約1ヶ月と大きな問題を認めなかった. 一方, ICU死亡例は平均2週間以上ICUに滞在しており, その間重度の意識障害が続いていたことから検討の余地がある. また重度意識障害で長期人工呼吸の可能性がある場合は本院では積極的に救急病棟に患者を受け入れているが, 生存転院群では気管切開により人工呼吸より離脱が可能であった.
ISSN:0288-4348