ラット前脳虚血後のMRI画像の変化と組織所見 虚血再灌流, T1強調画像, 脂肪染色

我々は, 20分間の4-Vessel occlusionを負荷したラットにおいて線状体領域のMRI画像と組織所見の観察を行い, T1強調画像で高信号を示した領域ではマイクログリアの集積が認められることを報告した. しかし, マイクログリアの集積によってなぜT1強調画像で高信号を呈するかは不明であった. 今回, その原因を特定するために脂肪染色を試みたので報告する. 【方法】雄性 Wistarラットに, 4-Vessel occlusion法で20分間の前脳虚血を負荷した. 虚血再灌流1, 3, 7日後に灌流固定を行い, 厚さ20μmの凍結切片を作成した. ズダンブラックBを用いた脂肪染色, さ...

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Veröffentlicht in:蘇生 2002, Vol.21 (3), p.209-209
Hauptverfasser: 青江尚美, 武田吉正, 河原英朗, 森田潔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 20分間の4-Vessel occlusionを負荷したラットにおいて線状体領域のMRI画像と組織所見の観察を行い, T1強調画像で高信号を示した領域ではマイクログリアの集積が認められることを報告した. しかし, マイクログリアの集積によってなぜT1強調画像で高信号を呈するかは不明であった. 今回, その原因を特定するために脂肪染色を試みたので報告する. 【方法】雄性 Wistarラットに, 4-Vessel occlusion法で20分間の前脳虚血を負荷した. 虚血再灌流1, 3, 7日後に灌流固定を行い, 厚さ20μmの凍結切片を作成した. ズダンブラックBを用いた脂肪染色, さらにイソレクチンB4を用いたレクチン染色との2重染色を行い, 線条体における組織所見を観察した. 【結果】再灌流1, 3日後には線条体に脂肪顆粒, 脂肪滴は認められなかったが, 再灌流7日後には脂肪顆粒, 脂肪滴が認められた. また, 2重染色ではマイクログリア内に貧食された脂肪が確認された. 【考察】脂肪染色を行うことによって, T1強調画像での高信号の原因は, 傷害された神経細胞が, 浸潤してきたマイクログリアに貪食され, 脂肪変性したためであるということが確認できた.
ISSN:0288-4348