モヤモヤ病合併妊娠患者の脳虚血モニタ
モヤモヤ病合併妊娠患者の帝王切開術の際, 脳虚血のモニタとして近赤外線分光法を用いた. 麻酔は硬膜外麻酔で行い, L_2-3 から頭側4cmに硬膜外カテーテルを留置し, 2%メピバカインを15ml使用した. 硬膜外麻酔後, 軽度血圧低下(収縮期圧120mmHg→90mmHg)と徐脈(心拍数60bpm)となり, 急激な酸化ヘモグロビンの低下および還元ヘモグロビンの上昇を認めた. 患者は呼びかけには応じるものの傾眠傾向となった. これらの変化は輸液とアトロピン投与により速やかに改善した. 血圧低下は軽度であったが, Pa_CO2 が25mmHgと過換気の状態であったことが脳虚血を引き起こす原因にな...
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Veröffentlicht in: | 蘇生 2001, Vol.20 (2), p.192-194 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | モヤモヤ病合併妊娠患者の帝王切開術の際, 脳虚血のモニタとして近赤外線分光法を用いた. 麻酔は硬膜外麻酔で行い, L_2-3 から頭側4cmに硬膜外カテーテルを留置し, 2%メピバカインを15ml使用した. 硬膜外麻酔後, 軽度血圧低下(収縮期圧120mmHg→90mmHg)と徐脈(心拍数60bpm)となり, 急激な酸化ヘモグロビンの低下および還元ヘモグロビンの上昇を認めた. 患者は呼びかけには応じるものの傾眠傾向となった. これらの変化は輸液とアトロピン投与により速やかに改善した. 血圧低下は軽度であったが, Pa_CO2 が25mmHgと過換気の状態であったことが脳虚血を引き起こす原因になったと考えられた. 全身麻酔の場合と異なり, 局所麻酔の場合は患者の反応に注意すれば虚血症状の多くは察知できるが, 近赤外線分光法は有用なモニタといえる. モヤモヤ病患者の分娩に際しては, 血圧変動による脳出血や過換気による脳虚血の危険があるため, 帝王切開が選択されることが多い1). |
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ISSN: | 0288-4348 |