内頸静脈切除が硬膜外腔圧に及ぼす影響

頸部郭清手術で内頸静脈や頸部リンパ節を除去したときの脳合併症が問題となっている。頭蓋内圧の変化が関与している可能性を考え, 硬膜外腔圧が頭蓋内圧をよく反映することに着目し, 頸部郭清術8例を対象に, 術中に頸部硬膜外腔圧を連続的に測定した。また, 術後の頭痛・顔面浮腫の程度について経過を観察した。 症例はすべて片側の頸部郭清術であり, 内頸静脈切除後に硬膜外腔圧は全例で上昇した (平均15mmHg, 最大37.5mmHg, 最小5.5mmHg) 。また, 硬膜外腔圧の上昇が著しい症例は, 術後の顔面浮腫や頭痛が強い傾向が見られた。 頸部郭清術による内頸静脈や頸部リンパ節の切除が脳循環に影響を与...

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Veröffentlicht in:蘇生 2000/07/20, Vol.19(2), pp.131-134
Hauptverfasser: 山崎, 信也, 川合, 宏仁, 田中, 一歩, 杉田, 俊博, 奥秋, 晟, 岩間, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:頸部郭清手術で内頸静脈や頸部リンパ節を除去したときの脳合併症が問題となっている。頭蓋内圧の変化が関与している可能性を考え, 硬膜外腔圧が頭蓋内圧をよく反映することに着目し, 頸部郭清術8例を対象に, 術中に頸部硬膜外腔圧を連続的に測定した。また, 術後の頭痛・顔面浮腫の程度について経過を観察した。 症例はすべて片側の頸部郭清術であり, 内頸静脈切除後に硬膜外腔圧は全例で上昇した (平均15mmHg, 最大37.5mmHg, 最小5.5mmHg) 。また, 硬膜外腔圧の上昇が著しい症例は, 術後の顔面浮腫や頭痛が強い傾向が見られた。 頸部郭清術による内頸静脈や頸部リンパ節の切除が脳循環に影響を与え, 頭蓋内圧を亢進させる可能1生が示唆された。硬膜外腔圧モニターは頸部郭清術後の脳合併症の予測の一助となる可能性があり, 脳蘇生時のモニターにも応用可能と考えられる。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.19.131