Rh(-)O型肝破裂症例に, セルセーバー使用緊急手術を行い, 効を奏した一救命例
今回われわれは交通外傷により肝破裂, 腹腔内出血, 出血性ショックを呈し来院したRh(-)O型18才男性に対し, セルセーバーを使用した緊急止血手術を行い, 救命し得た症例を報告する. 来院時所見として上記の他に外傷性SAH, 左第1肋骨骨折, 両肺挫傷, 血気胸, 左上腕骨骨折, 全身打撲の合併を認めた. 来院後腹部CT像を経時的に行ったが保存的治療に限界であると判断した. しかし希少な血型であり, 最小限の血液の確保したのち入院8時間後開腹術を行った. 入院時のHt43%, Hb14.4g/dlであったが, 輸血開始時はHt26%, Hb8.9g/dlまで出血が進み, 手術までの輸血量はM...
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Zusammenfassung: | 今回われわれは交通外傷により肝破裂, 腹腔内出血, 出血性ショックを呈し来院したRh(-)O型18才男性に対し, セルセーバーを使用した緊急止血手術を行い, 救命し得た症例を報告する. 来院時所見として上記の他に外傷性SAH, 左第1肋骨骨折, 両肺挫傷, 血気胸, 左上腕骨骨折, 全身打撲の合併を認めた. 来院後腹部CT像を経時的に行ったが保存的治療に限界であると判断した. しかし希少な血型であり, 最小限の血液の確保したのち入院8時間後開腹術を行った. 入院時のHt43%, Hb14.4g/dlであったが, 輸血開始時はHt26%, Hb8.9g/dlまで出血が進み, 手術までの輸血量はMAP6U, FFP3Uで, 手術前はHt28%, Hb9.6g/dlであった. 術前APACHE-II26点, ISS48点であった. 手術所見は肝は肝上部下大静脈起始部よりカントリー線に沿って肝門部まで破裂し, 日本外傷研究会肝破裂分類IIa, 真喜屋の分類IIIであった. その他実質臓器の損傷は認められなかったが, 右副腎周囲後腹膜に血腫を認めたが術操作による浸襲を最小限に押さえるため後腹膜は開けず, 保存的観察とした. 止血目的にて破裂部を縫縮した. 出血量は2514mlで, 術中MAP6U, FFP10Uの輸血の他セルセーバー血850mlを要した. 術後は再出血等なく軽快した. [結論] われわれは, Rh(-)O型の患者に対し, セルセーバーを使用した緊急止血手術を行った. セルセーバーにより輸血量の節約に奏功した. |
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ISSN: | 0288-4348 |