イソフルレンと亜酸化窒素麻酔時の脳内一酸化窒素代謝産物(NO_2 ^- /NO_3 ^- )の変動
「目的」 脳内神経情報系における一酸化窒素の役割に関しては, 種々の報告がある. これらの報告は, 神経障害発生との関連が大半であり, 神経機能を基盤とした行動学的考察や, 麻酔薬との関連性については未だ少ない. 本研究は, ラットの海馬にprobeを刺入したin vivo microdialysis法で麻酔時から覚醒時の各段階における一酸化窒素の発生をGrise法を基にしたNO_X (NO_2 ^- /NO_3 ^- )の変動をHPLC法により測定解析し, 亜酸化窒素, イソフルレンの脳内NO_2 ^- /NO_3 ^- の変動に及ぼす影響について考察する. 「方法」 280~330gの雄性...
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Zusammenfassung: | 「目的」 脳内神経情報系における一酸化窒素の役割に関しては, 種々の報告がある. これらの報告は, 神経障害発生との関連が大半であり, 神経機能を基盤とした行動学的考察や, 麻酔薬との関連性については未だ少ない. 本研究は, ラットの海馬にprobeを刺入したin vivo microdialysis法で麻酔時から覚醒時の各段階における一酸化窒素の発生をGrise法を基にしたNO_X (NO_2 ^- /NO_3 ^- )の変動をHPLC法により測定解析し, 亜酸化窒素, イソフルレンの脳内NO_2 ^- /NO_3 ^- の変動に及ぼす影響について考察する. 「方法」 280~330gの雄性ウイスター系ラットを用い, ペントバルビタール麻酔下で海馬にガイドカニューレを埋め込み, 3日後にmicro dialysis probeを挿入し, 回収液中のNO_2 ^- /NO_3 ^- をHPLC法により経時的に測定した. 尚, 麻酔発現の有無に関しては, ラットの正向反射法により判定を行った. 実験群を以下に示す. 1)イソフルレン(4MAC)+酸素(33%) 2)イソフルレン(2MAC)+酸素(33%) 3)イソフルレン(4MAC)+酸素(33%)+L-NAME(250nmol, 500nmol;脳室内投与) 4)イソフルレン(4MAC)+酸素(33%)+D-NAME(250nmol, 500nmol;脳室内投与) 5)亜酸化窒素(70%)+酸素(33%) 「結果」イソフルレン群では, 覚醒時に比較して麻酔時にNO_2 ^- /NO_3 ^- の上昇を濃度依存性に認めたが, L-NAME投与群ではイソフルレン麻酔によって上昇するNO_2 ^- /NO_3 ^- は抑制された. D-NAME投与群, 亜酸化窒素群では, 麻酔時, 覚醒時での明らかなNO_2 ^- /NO_3 ^- の変動は認められなかった. 「結語」イソフルレン麻酔は, 脳内NO合成を亢進させることが示唆された. |
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ISSN: | 0288-4348 |