肝臓切除中, 静脈空気塞栓を起こしたと考えられた2症例

CUSA (Cavitron Ultrasonic Surgical Aspirator) を使用しながらの肝臓切除手術中に呼気終末炭酸ガス分圧が急激に低下し, 静脈空気塞栓を併発したと考えられる2症例を経験した。症例1は血圧低下に対して大量の輸血, 輸液, および中心静脈路からのカテコラミン投与を行ったにもかかわらず低心拍出量状態が10分間以上にわたって遷延した。症例2は, 循環動態の異常に気付くと同時に心マッサージを開始し, 輸血, 輸液を大量に行う前に循環動態の回復をみた。症例1は血圧低下の直前に中心静脈圧の上昇, 症例2では肺動脈圧の上昇を認め, 肺動脈から空気泡が吸引できた。空気塞栓...

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Veröffentlicht in:蘇生 1996/08/20, Vol.14(3), pp.123-126
Hauptverfasser: 足立, 裕史, 太尾田, 正彦, 内橋, 慶隆, 佐藤, 哲雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:CUSA (Cavitron Ultrasonic Surgical Aspirator) を使用しながらの肝臓切除手術中に呼気終末炭酸ガス分圧が急激に低下し, 静脈空気塞栓を併発したと考えられる2症例を経験した。症例1は血圧低下に対して大量の輸血, 輸液, および中心静脈路からのカテコラミン投与を行ったにもかかわらず低心拍出量状態が10分間以上にわたって遷延した。症例2は, 循環動態の異常に気付くと同時に心マッサージを開始し, 輸血, 輸液を大量に行う前に循環動態の回復をみた。症例1は血圧低下の直前に中心静脈圧の上昇, 症例2では肺動脈圧の上昇を認め, 肺動脈から空気泡が吸引できた。空気塞栓は麻酔中に起こりうる重大な合併症の一つであり致命的である。早期の発見が重要で, 適切な診断を行って速やかに対応する必要がある。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.14.123