窒息試験により生じた中枢性呼吸活動応答に及ぼすイソフルランの影響

窒息試験(ASP)により生じる中枢性呼吸活動応答に及ぼすインフルラン(ISO)の影響を検討するため迷走神経切断, 不動化100%酸素で換気したウサギにISOを吸入させ, 0.5および1MACでの横隔神経発射活動に発現する変化を指標とした実験を行った. GOF麻酔下でウサギを背臥位に固定, 頸部を切開し, 両側の迷走神経と横隔神経を分離切断した. 手術終了後, 臭化パンクロニウム静注により不動化100%酸素調節呼吸を行った. 麻酔中断後60分を経過した時点で実験を開始した. ASPは60秒間の人工呼吸停止とし, 実験開始時, 予定濃度の吸入開始20分後, および麻酔中断より30分を経過した時点で...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 中村信一, 小泉實意子, 佐藤智子, 長坂浩, 宮崎孝, 松本勲, 堀孝郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:窒息試験(ASP)により生じる中枢性呼吸活動応答に及ぼすインフルラン(ISO)の影響を検討するため迷走神経切断, 不動化100%酸素で換気したウサギにISOを吸入させ, 0.5および1MACでの横隔神経発射活動に発現する変化を指標とした実験を行った. GOF麻酔下でウサギを背臥位に固定, 頸部を切開し, 両側の迷走神経と横隔神経を分離切断した. 手術終了後, 臭化パンクロニウム静注により不動化100%酸素調節呼吸を行った. 麻酔中断後60分を経過した時点で実験を開始した. ASPは60秒間の人工呼吸停止とし, 実験開始時, 予定濃度の吸入開始20分後, および麻酔中断より30分を経過した時点で行った. 実験中, 呼気終末炭酸ガス濃度を一定に保ち, 保温パットにより体温の低下を防いだ. 横隔神経発射活動積分記録を基に呼吸周期(Tc), 吸息時間(Ti), 呼息時間(Te), 呼息漸増速度(SLO)および最大吸息活動(AMP)を計測した. 1.中枢性呼吸活動に及ぼす影響:ISO吸入により, SLO, AMPは濃度依存的に低下した. 1MACではTiとTeが有意に延長し, Tcが延長した. 2.ASP応答に及ぼす影響:対照群ではASPにより, Tiは有意の変化を生じなかったが, Teは有意に延長されTcが延長し, AMPとSLOが有意に増大する応答が得られた. ISO吸入により, Te延長応答は0.5MACで有意に減少したが, 1MACでは対照群と比較して有意な差は認められなかった. しかし, Tiが短縮するという新たなASP応答が出現し, Tc延長応答は有意に減弱した. SLO増大応答は濃度依存的に増強された. AMP増大応答は有意な変化を生じなかった. 今回, 高酸素換気条件下に行われたSAPに対する中枢性呼吸活動の応答性はISO吸入により変化を生じた. この一因としてCO_2 drive応答性の変化が関与するものと考えられた.
ISSN:0288-4348