18G注射針による骨髄内輸液の検討

骨髄内輸液は, 血管確保の困難な症例に対し, 簡易な静脈路確保の手段としてその有用性が見直されてきている. 一般に穿刺には特殊な骨髄内輸液針が用いられているが, 心肺蘇生時など急を要する場合, 常備されていないことも多い. そこで今回われわれは, 一般に頻用されている18G注射針を穿刺針として用いて骨髄内輸液を施行したので報告する. 対象は, 当院に搬送された来院時心肺停止症例13例. 方法は, 穿刺針としてテルモ社製18G注射針(1.2×38mm)を用いて, 鎖骨(胸骨端)および腸骨(上前腸骨棘)に穿刺した. 輸液は乳酸リンゲル液を使用し, 穿刺部位から約80cm上方より重力下において自然滴...

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Hauptverfasser: 島田二郎, 川前金幸, 岩間裕, 勝見敦, 赤間洋一, 田勢長一郎, 奥秋晟
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨髄内輸液は, 血管確保の困難な症例に対し, 簡易な静脈路確保の手段としてその有用性が見直されてきている. 一般に穿刺には特殊な骨髄内輸液針が用いられているが, 心肺蘇生時など急を要する場合, 常備されていないことも多い. そこで今回われわれは, 一般に頻用されている18G注射針を穿刺針として用いて骨髄内輸液を施行したので報告する. 対象は, 当院に搬送された来院時心肺停止症例13例. 方法は, 穿刺針としてテルモ社製18G注射針(1.2×38mm)を用いて, 鎖骨(胸骨端)および腸骨(上前腸骨棘)に穿刺した. 輸液は乳酸リンゲル液を使用し, 穿刺部位から約80cm上方より重力下において自然滴下させ, それぞれ輸液速度を測定した. 各平均輸液速度は腸骨8.51±4.36ml/kg/hrで, 鎖骨で8.42±7.79ml/kg/hrであった. また造影により, 腸骨から下大静脈, 鎖骨から上大静脈への造影剤の移行を認めた. なお重篤な合併症は認められなかったが, 針先の屈曲や輸液速度が不十分な症例が認められた. 18G注射針による骨髄内輸液は, 操作は容易で迅速, 固定性も良好で, 静脈路確保の手段として, 院外心肺停止症例に対してばかりでなく, 一般病棟における急な心肺停止症例に対しても有効であると考えられた.
ISSN:0288-4348