プロスタグランジン(PGBx)の低酸素下の心臓保護作用
プロスタグランジンB重合体(PGBx)のエステル型誘導体を用いて低酸素状態のラット心臓への保護作用を検討した. PGBxはPhiladelphia Biomedical Instituteより供与を受けた. Sprague-Dawley系200-250g雄ラットにエンフルレンを吸入させ麻酔し, 四肢心電図装着, 気管切開後ポリエチレンチューブを挿入し人工呼吸器にて呼吸を維持した. 低酸素は人工呼吸器への空気供給を100%窒素に置換して行った. 0~5分まで30秒間隔で窒素供給時間を延長し各時間毎に10匹のラットを使って実験を行った. 窒素投与終了とともに100%酸素を人工呼吸器を通して吸入させ...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | プロスタグランジンB重合体(PGBx)のエステル型誘導体を用いて低酸素状態のラット心臓への保護作用を検討した. PGBxはPhiladelphia Biomedical Instituteより供与を受けた. Sprague-Dawley系200-250g雄ラットにエンフルレンを吸入させ麻酔し, 四肢心電図装着, 気管切開後ポリエチレンチューブを挿入し人工呼吸器にて呼吸を維持した. 低酸素は人工呼吸器への空気供給を100%窒素に置換して行った. 0~5分まで30秒間隔で窒素供給時間を延長し各時間毎に10匹のラットを使って実験を行った. 窒素投与終了とともに100%酸素を人工呼吸器を通して吸入させ, 心電図上, 心停止が見られるか, 胸壁上心拍動を触知できない場合, 1時間に限って体外心マッサージを行った. 100%窒素吸入開始より3時間後に生存しているネズミの数から生存率を求めた. この薬を投与しない対象に対して体重kg当たり6.0mgのPGBxを尾静脈より, 第(1)群:100%窒素吸入開始10分前, 第(2)群:100%窒素吸入開始2分後, 第(3)群:100%酸素開始直後に投与し, 対象群と同様に100%窒素吸入開始より3時間後のネズミの生存率を測定した. 生存率測定の実験とは別に同じ実験操作を行ったネズミを使って血圧, 血中乳酸, 血糖, pH, P_O2 , P_CO2 , 心筋中ATP, 心筋内ミトコンドリア活性を測定した. PGBx投与により3分30秒間の100%窒素吸入に対して, 対象群は50%の生存率であったが, 第(1)群80%, 第(2)群90%, 第(3)群80%と生存率の改善を見た. また, 心筋内ミトコンドリア活性の保存がみられた. エステル型PGBxは無酸素状態の心臓保護に有用であることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0288-4348 |