超重症の急性呼吸不全に対するHFJVの治療経験
ARDSは, 現在でも頻度は高い. 呼吸管理が進歩したとはいえ, PEEPによる呼吸管理で改善が得られず, 呼吸不全死例にも時に遭遇する. これら呼吸管理困難例に対しての, HFJVを付加した機械呼吸の効果と意義を報告した. HFJVの適応としては, 高度の肺胞ガス交換障害例で, PEEPにても改善の得られない症例としている. すなわち, 原則として10cmH_2 O以上のPEEPを加えても, A-aDO_2 550mmHg(F_I _O2 =1.0)以上, かっ他のパラメータ上も改善の得られない例としている. 検討対象は, 15例であった. 呼吸機能の著明な改善は, 11例(73.3%)でみ...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | ARDSは, 現在でも頻度は高い. 呼吸管理が進歩したとはいえ, PEEPによる呼吸管理で改善が得られず, 呼吸不全死例にも時に遭遇する. これら呼吸管理困難例に対しての, HFJVを付加した機械呼吸の効果と意義を報告した. HFJVの適応としては, 高度の肺胞ガス交換障害例で, PEEPにても改善の得られない症例としている. すなわち, 原則として10cmH_2 O以上のPEEPを加えても, A-aDO_2 550mmHg(F_I _O2 =1.0)以上, かっ他のパラメータ上も改善の得られない例としている. 検討対象は, 15例であった. 呼吸機能の著明な改善は, 11例(73.3%)でみられた. 最終的に生存した例は, 3例(20.0%)であった. しかし, 死因をみると無効4例は, 全例呼吸不全で死亡したが, 有効例中で死亡した8例の主な死亡原因は, 治療不能な感染が5例, 原疾患の進行が1例, この両者が関連していた例が2例で, 呼吸不全は主ではなかった. HFJV施行中の合併症としては, 血圧低下や心拍出量減少などの循環系への影響が多くみられ, 十分なデータが得られた7例中, 5例で心係数は減少していた(Paired T-testにて5%以下の危険率で有意差あり). これは, 平均気道内圧が上昇しないように人工呼吸器の設定をしてもみられており, 無視できないside effectと考えられた. 致命的な緊張性気胸は, 2例(この内の1例は, すでに気胸状態にあったCOLD例)のみと比較的低頻度であった. HFJVを付加することにより一部ではあるが, 従来の呼吸管理方法では生存し得ないと考えられる例のうち, 生存例もみられた. それゆえ, きわめて高度の呼吸不全に対して本方法は, 試みるべきと考えられた. しかし, 循環動態およびbarotraumaには, 注意が必要と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0288-4348 |