ショック時における尿中プロスタグランジンの変化
本研究はヒトのショックモデルとして, 体外循環の尿中, 血漿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 αを測定し, その意義について考察した. 体外循環使用による冠動脈再建術を予定されたNYHA II~IIIの10名の患者である. 採尿は, 体外循環前, 体外循環15分, 30分, 60分, 採血は体外循環前, 体外循環60である. 測定項目は尿中および血漿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 α, 尿中NAGおよびクレアチニンである. 尿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 αは体外循環開始より経時的に有意に増加した. 尿中NAGも同様有意に増加した. 血漿中のTXB_2 , 6Ke...
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Zusammenfassung: | 本研究はヒトのショックモデルとして, 体外循環の尿中, 血漿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 αを測定し, その意義について考察した. 体外循環使用による冠動脈再建術を予定されたNYHA II~IIIの10名の患者である. 採尿は, 体外循環前, 体外循環15分, 30分, 60分, 採血は体外循環前, 体外循環60である. 測定項目は尿中および血漿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 α, 尿中NAGおよびクレアチニンである. 尿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 αは体外循環開始より経時的に有意に増加した. 尿中NAGも同様有意に増加した. 血漿中のTXB_2 , 6Keto PGF_1 αも体外循環60分, では有意に増加した. 尿中プロスタグランジンは血中プロスタグランジンをより良く反映する. 本研究で増加した尿中TXB_2 , 6Keto PGF_1 αの両者がもしすべて腎外性とするならば, 理論的には血漿中のTXB_2 , 6Keto PGF_1 αはおのおの人工心肺前で血漿TXB_2 は9.4pg/ml, 6Keto PGF_1 αは4.9pg/ml程度であり, 今まで報告されてきた血漿中のプロスタグランジンの測定値は信頼性に乏しいという結果になった. 一方体外循環60分での理論値はTXB_2 は1171pg/ml, 6Keto PGF_1 αは425pg/mlとなる. Terragnoらはストレス・ショック状態においては腎由来のプロスタグランジンが多く産生される. 本研究で, 実測値の方が理論値より少なく産生することより, 体外循環というショック状態においては腎の低酸素状態が起こり, 腎由来の大量のTXA_2 プロスタサイクリンが増加したものと考える. 増加したTXB_2 は本研究で同時に測定したNAGの変化と良い相関(γ=0.82P |
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ISSN: | 0288-4348 |