Barbiturate大量持続療法中における呼吸器合併症
頭部外傷, 破裂脳動脈瘤, 脳梗塞急性期血管吻合術後, CPR後などの脳保護を目的として, あるいは, 重積する痙攣の抑止のために, Barbiturateの大量持続投与療法が導入されているが, 呼吸・循環など全身管理を複雑にする合併症に遭遇する頻度が高い. 今回, われわれの施設で施行されたBarbiturate療法を対象として, 呼吸器合併症の頻度, 種類, 治療および経過について検討を加えた. 対象となった52例の内訳は, 心肺蘇生後11例, 脳血管障害23例, 脳挫傷10例, 痙攣重積6例, その他2例で, このうち19例(36.5%)が死亡した. 人工呼吸は2日ないし43日平均6.6...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 頭部外傷, 破裂脳動脈瘤, 脳梗塞急性期血管吻合術後, CPR後などの脳保護を目的として, あるいは, 重積する痙攣の抑止のために, Barbiturateの大量持続投与療法が導入されているが, 呼吸・循環など全身管理を複雑にする合併症に遭遇する頻度が高い. 今回, われわれの施設で施行されたBarbiturate療法を対象として, 呼吸器合併症の頻度, 種類, 治療および経過について検討を加えた. 対象となった52例の内訳は, 心肺蘇生後11例, 脳血管障害23例, 脳挫傷10例, 痙攣重積6例, その他2例で, このうち19例(36.5%)が死亡した. 人工呼吸は2日ないし43日平均6.6日施行した. 呼吸器合併症は10例延べ14回発生し, このうち無気肺が5例7回をしめ, Barbiturate療法に伴う長期呼吸管理の難しさが明らかとなった. また, 気胸, 胸腔内輸液など中心静脈確保に伴った合併症が1例ずつ, 肺炎2例, 心不全による肺水腫2例あり, このほか基礎疾患の喘息の憎悪を見たものが1例あった. 無気肺と肺炎の発生は, 7例9回中4例5回までが, 人工呼吸開始後1週間を過ぎてからおこっており, 人工呼吸期間が平均4.4日と短い死亡症例19例中呼吸器合併症を見たものが2例のみであることからも, 長期にわたって人工呼吸を余儀なくされるBarbiturate療法は, 常に呼吸器合併症発生の危険をはらんでいるといえる. 治療法は, curved-chip catheterによる左右別気管支吸引, 胸腔ドレナージ, PEEP付加など, それぞれの合併症に応じたものが選択され, 無気肺は全例24時間以内に軽快しており, その他の合併症においても, 呼吸器合併症そのものが直接死因になることはなかった. 長期呼吸管理を必要とするBarbiturate療法の実施にあたっては, 呼吸器合併症の発生を念頭においた全身管理が肝要である. |
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ISSN: | 0288-4348 |