CCPRに関する実験的研究

蘇生後に起こる進行性脳障害を改善すべく, 当教室では, brain cooling法とCa拮抗薬であるニフェジピンを用い, その効果を, 脳ミトコンドリアのチトクロームを中心とし検索を行った. 実験は, 体重10kg前後の雑種成犬22頭を用い, 心室細動誘導法により10分間の心停止を作製した. brain cooling法は益子らの方法を用い, またニフェジピン投与法は, 心停止作製5分前に10μg/kg(iv)に引き続いて1μg/kg・min^-1 の量を蘇生1時間後まで投与した. チトクローム分画の定量は, 脳ミトコンドリアの分離後, 酸化還元差スペクトルを利用し, ダブルビーム分光光度計...

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Hauptverfasser: 間渕啓一, 川井和哉, 鈴木孝典, 柳原尚, 春山広記, 木下幸大, 石井脩夫, 三宅有
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:蘇生後に起こる進行性脳障害を改善すべく, 当教室では, brain cooling法とCa拮抗薬であるニフェジピンを用い, その効果を, 脳ミトコンドリアのチトクロームを中心とし検索を行った. 実験は, 体重10kg前後の雑種成犬22頭を用い, 心室細動誘導法により10分間の心停止を作製した. brain cooling法は益子らの方法を用い, またニフェジピン投与法は, 心停止作製5分前に10μg/kg(iv)に引き続いて1μg/kg・min^-1 の量を蘇生1時間後まで投与した. チトクローム分画の定量は, 脳ミトコンドリアの分離後, 酸化還元差スペクトルを利用し, ダブルビーム分光光度計UV-3000を用いて測定, Chanceらの計算式に従って算出した. 実験群は, I群-CPR群. II群-CPR+ニフェジピン投与群. III群-CPR +brain cooling群とした. 結果であるが, 生命徴候, 血行力学, 血液ガスでは3群間に差がなかったが, CPR後のCABFおよびrCBFにおいて, GII, GIIIでGIに比べ有意の上昇がみられた. また, チトクロームでも, GII, GIIIはGIに比べ上昇傾向を示した. しかし, チトクロームa, b, c各群間での差はみられず, またGIIとGIII両群間の差もなかった. 今後さらに症例を重ね, 脳内血流分布の不均衡の問題, 神経学的予後の検索なども含め, 研究を進めてゆく方針である.
ISSN:0288-4348