喘息重積発作に対する麻酔剤による吸入療法

喘息重積発作に対する治療として, アミノフィリン, β_2 刺激薬, ステロイド等の薬剤の血管内投与や大量補液, 吸入療法などが一般に行われている. しかしこれらの治療が効果的でなく, 換気不全が進行し意識レベルの低下等が出現する場合には, さらに強力な治療が必要となってくる. 当院では, そのような場合に気管内挿管を行い吸入麻酔薬を使用して呼吸管理を施行した症例が年間数例もある. 今までに使用した吸入麻酔薬は, エーテル, ハロセン, エンフルレンの3種類であるが, 症例数は, エーテル2例, エンフルレン1例, ハロセン3例の合計6例であった. いずれの場合も喘鳴の軽減あるいは消失を認め,...

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Hauptverfasser: 廣田健児, 平林由広, 吉沢由利子, 木村恒夫, 成島秀雄, 井上荘三郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:喘息重積発作に対する治療として, アミノフィリン, β_2 刺激薬, ステロイド等の薬剤の血管内投与や大量補液, 吸入療法などが一般に行われている. しかしこれらの治療が効果的でなく, 換気不全が進行し意識レベルの低下等が出現する場合には, さらに強力な治療が必要となってくる. 当院では, そのような場合に気管内挿管を行い吸入麻酔薬を使用して呼吸管理を施行した症例が年間数例もある. 今までに使用した吸入麻酔薬は, エーテル, ハロセン, エンフルレンの3種類であるが, 症例数は, エーテル2例, エンフルレン1例, ハロセン3例の合計6例であった. いずれの場合も喘鳴の軽減あるいは消失を認め, 全例を救命することができた. エーテルの吸入では, 一般にいわれているように強力な気管支拡張作用を示し速やかな喘鳴の消失をみた. その効果は使用した3剤中ではもっとも強力であるという印象を得た. ハロセン吸入の場合も喘鳴の軽減を見たが, 気管内挿管以前に投与されたアミノフィリンと関連してか, 心室性不整脈の出現が認められた症例があった. その点では使用に際して注意を要する薬剤とも考えられた. エンフルレン吸入では, 1症例の経験であるが, 喘鳴の軽減とともに呼吸状態の改善を認め他の2剤と同様の結果を得ている. 以上, 重症の喘息重積発作に対して使用した吸入麻酔薬3種類の効果について発表する予定である.
ISSN:0288-4348