P-12. 顎口腔領域の画像検査におけるDiffusion-weighted imagingの応用
【目的】顎口腔領域にMRIが応用され, 顎骨の腫瘍と嚢胞の鑑別等, エックス線診断では得られない所見が得られ, 臨床においてMRIの役割は大きくなっている. 嚢胞と腫瘍の鑑別は通常, 造影MRIを撮像し, 造影効果の形態を診断することによりなされている. しかしながら, 重篤な肝機能障害のある患者や, 造影剤による過敏症を持つ患者などの副作用のリスクが大きな患者には, 造影の中止や慎重な検査が必要とされる. 近年, 虚血性脳疾患の診断に広く応用されている拡散強調像(diffusion-weighted imaging:DWI)が, 一部脳腫瘍の鑑別や体幹四肢にも役立つことが報告されてきている....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2007, Vol.47 (1/4), p.106-106 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】顎口腔領域にMRIが応用され, 顎骨の腫瘍と嚢胞の鑑別等, エックス線診断では得られない所見が得られ, 臨床においてMRIの役割は大きくなっている. 嚢胞と腫瘍の鑑別は通常, 造影MRIを撮像し, 造影効果の形態を診断することによりなされている. しかしながら, 重篤な肝機能障害のある患者や, 造影剤による過敏症を持つ患者などの副作用のリスクが大きな患者には, 造影の中止や慎重な検査が必要とされる. 近年, 虚血性脳疾患の診断に広く応用されている拡散強調像(diffusion-weighted imaging:DWI)が, 一部脳腫瘍の鑑別や体幹四肢にも役立つことが報告されてきている. しかしながら, 顎口腔領域の病変に関しての報告はあまりなされていない. そこで今回我々は, 顎口腔領域の嚢胞性病変と腫瘍性病変について, DWIによる画像検査が可能であるかを検討したので報告する. 【方法】対象は2006年6月13日より2007年1月15日の間に, 顎口腔領域の嚢胞または腫瘍の疑いにて, 日本大学松戸歯学部付属病院に来院しMRI撮像を行った29症例(平均年齢50.3歳, 男性20例, 女性9例, 嚢胞11例, 腫瘍18例)とした. 使用装置は静磁場強度1.5Tの超電導磁気共鳴診断装置(Intera Achieva 1.5T, PHILIPS社)を用いた. 撮像方法はTSE法T1強調体軸横断像(TR/TE=400~600/9msec), T2強調体軸横断像, (TR/TE=3000~5000/130msec), STIR体軸横断撮像(TR/TE/TI=2000~4000/50/180msec)およびEPI法DWI体軸横断像(TR/TE=2000~4000/62msec, b:0, 500, 800)であり, DWIにおいてそれぞれの病変部のADC値の測定を行い評価した. 【結果】嚢胞性病変と腫瘍性病変では嚢胞性病変の方が高いADC値を示した. 【考察】今回我々は, 顎口腔領域の嚢胞性病変と腫瘍性病変について, DWIによる画像検査が可能であるかを検討した. DWIによるADC値は組織内の水分子や細胞密度等に影響され, 嚢胞性病変の方が高いADC値を示し, 嚢胞性病変と腫瘍性病変の検査に役立つ可能性が示唆された. 【結論】DWIによるADC値測定は顎口腔領域における嚢胞性病変と腫瘍性病変の画像検査に応用できると示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0389-9705 |