7.歯科インプラント治療における画像検査:口内法撮影の利用価値

【目的】歯科用骨内インプラント治療における画像検査の目的は, 1)距離計測, 2)骨形態計測, に代表される計測学として位置付けられる. 今回は, 口内法における距離計測精度, 歯科用ディジタルシステムを用いた経時的骨変化の定量的評価を通じて, 口内法撮影の臨床的価値を考察する. 【材料と方法】距離計測精度について:乾燥下顎骨の第一大臼歯, 犬歯部に, 実長17.37mm, 13.56mmのインプラント体をそれぞれ植立し, インジケータを使用した口内法撮影(平行法), パノラマ撮影, 一般断層撮影, CT撮影を施行した. それぞれの画像上で, 6人の歯科医師が3回ずつの距離計測を行った. CT...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:歯科放射線 2006, Vol.46 (2), p.86-86
Hauptverfasser: 和光 衛, 西川慶一, 音成貴道, 原田卓哉, 山本実佳, 佐野 司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】歯科用骨内インプラント治療における画像検査の目的は, 1)距離計測, 2)骨形態計測, に代表される計測学として位置付けられる. 今回は, 口内法における距離計測精度, 歯科用ディジタルシステムを用いた経時的骨変化の定量的評価を通じて, 口内法撮影の臨床的価値を考察する. 【材料と方法】距離計測精度について:乾燥下顎骨の第一大臼歯, 犬歯部に, 実長17.37mm, 13.56mmのインプラント体をそれぞれ植立し, インジケータを使用した口内法撮影(平行法), パノラマ撮影, 一般断層撮影, CT撮影を施行した. それぞれの画像上で, 6人の歯科医師が3回ずつの距離計測を行った. CT画像は, 再構成された歯列横断像を使用した. 各種画像間での計測値は, Kruskal-Walliis, Scheffeのノンパラメトリック多重比較検定で比較した. 骨変化の定量的評価:プラトン社製インプラントを植立した症例に対して, IP方式歯科用ディジタルシステムDigoraを用い, インジケータを使用した規格撮影を行った. 前もって, 各患者に対して部分印象採得を行い, 撮影時に使用した. 定期的に得られた画像を重ね合わせて差分処理を施し, 骨変化領域をカラー表示した. また, インプラント体と骨との界面部を囲むように関心領域を設定し, カラー表示された部分の画素数を算出し, 骨変化量の指標とした. 分析対象は, 上顎犬歯部, 小臼歯部にインプラント体を植立し, 近遠心側に歯冠を伴う歯が萌出している患者の画像とした. なお, いずれの患者も術後4か月目に上部構造を装着した. 【結果と考察】距離計測精度について:口内法写真とCT写真間には有意差はなかった. 距離計測に優位であるCT写真に匹敵したことから, 口内法写真(平行法)での計測値は比較的信頼性が高いことが示唆された. 経時的骨変化について:犬歯部症例において, 歯槽骨頂部付近に術直後から3か月目まで急激な骨変化が認められた. 4か月から6か月においてもPOSITIVEな変動が認められたものの, それ以降では比較的安定していた. 小臼歯部症例においても, 歯槽骨頂部において術直後から3か月間の変化が著しく, 4か月から6か月の間にもPOSITIVEな変動を認めたものの, その後は安定していた. インプラント体植立後の骨構造変化は術直後から3か月位が顕著であること, また, 上部構造の装着月前後で若干の変動があったことから, 咬合圧との関連が深いことが推測された. はとめ】歯科インプラント治療に関連して, 口内法撮影は, 距離計測の予備的検査および術後の骨形態評価としての利用価値がある.
ISSN:0389-9705