28.小型半導体ガンマカメラの性能評価 -普及型試作器とプロトタイプの基本的性能比較
放射性医薬品(RI)を用い目的組織や病変部を標識して, 手術中にその標識を道標に手術を的確にあるいは容易にするRIガイド手術が注目を浴びてきている. RIガイド手術では目的組織や病変部に集積したRIを検出するために先端の径が10mm~15mmと小さくて, 術創の中に挿入できる小型のRI検出器(γプローブ)が用いられている. しかし, γプローブでは単にRIの計数のみを表示し, ハイピッチ音の高低で表現するだけで, 集積したRIの視覚化はできない. 術創中に病巣の画像が得られるならば病巣を容易にしかも正確に判定できると考えた. そこで, 私たちは, RIガイド手術用の小型半導体γカメラプロトタイ...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2006, Vol.46 (2), p.77-78 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 放射性医薬品(RI)を用い目的組織や病変部を標識して, 手術中にその標識を道標に手術を的確にあるいは容易にするRIガイド手術が注目を浴びてきている. RIガイド手術では目的組織や病変部に集積したRIを検出するために先端の径が10mm~15mmと小さくて, 術創の中に挿入できる小型のRI検出器(γプローブ)が用いられている. しかし, γプローブでは単にRIの計数のみを表示し, ハイピッチ音の高低で表現するだけで, 集積したRIの視覚化はできない. 術創中に病巣の画像が得られるならば病巣を容易にしかも正確に判定できると考えた. そこで, 私たちは, RIガイド手術用の小型半導体γカメラプロトタイプ(プロトタイプ)を開発し, その性能が優れておりSentinel Lymph Node Biopsy(SLNB)において有用な機器であることを明らかにしてきた. しかし, 検出器の形状が平板型であるため把持しにくい点, 術中に術野を被覆してしまうなどの問題点もあった. 今回, 問題点を改良し, 着脱可能なコリメータ3種, 標準, 高感度, 高分解能を有する普及型小型半導体γカメラ試作器(普及型試作器)を試用することができたので, エネルギー分解能, 空間分解能, 感度, 均一性などの基本性能について比較検討を行った. 【方法】普及型試作器は, 形態が立柱状, 重量が軽量化されて術中の操作性を考慮した仕様となっている. 検出部はCdTe半導体アレイ, プリアンプ, 鉛シールド部から構成されており, 外寸は縦82mm×横86mm×高さ205mmで, 重量は1.4kgである. CdTe半導体アレイは1.4mmのピッチで32の素子が並んでいる. このアレイを32個並べて, 有効視野44.8mm×44.8mmとなっている. 1024の素子はApplication Specific Integrated Circuits, ASICSに連結されている. さらに検出部には着脱可能な, 3種のコリメータ(標準, 高感度, 高分解能)が用意されている. 【結果】普及型試作器のエネルギー分解能はTc-99mで6.9%であった. 空間分解能はコリメータによって異なり, FWHMで標準タイプは1.6mm, 高分解能タイプ1.5mm, 高感度タイプ3.3mmであった. また, 感度は標準タイプで0.3cps/kBq, 高分解能タイプ0.15cps/kBq, 高感度タイプ1. 6cps/kBqと良好であった. 普及型試作器は標準タイプコリメータを装着するプロトタイプと同様の良好な基本性能を有し, 小型, 軽量で取り扱いに優れることが確認された. この研究の一部は平成17年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究C一般 課題番号 17591975)の助成にて行った. |
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ISSN: | 0389-9705 |