38. マイクロセレクトロンHDR法を用いた口腔癌に対する新しい手法
【背景】マイクロセレクトロンHDR法(μS法)は, 持続的低線量率組織内照射法と比較して, 放射線照射前の小手術における術者の被ばくがないこと, RI病棟など特別な人院施設を必要としないこと, 線源の停留時間を変化させることによってチューブ留置後に線量分布を改善できること等の理由から, 口腔癌のみならず, 前立腺癌や乳癌などにも広く応用されている. また治療成績も, 従来の方法と比較して, 優るとも劣らない結果が得られている. 一方μS法の欠点は, 放射線照射前の小手術における患者の負担が大きいことが挙げられる. 特に舌癌症例においては, 軟性チューブを腫瘤および腫瘤付近に留置させるために,...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2005, Vol.45 (4), p.174-174 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】マイクロセレクトロンHDR法(μS法)は, 持続的低線量率組織内照射法と比較して, 放射線照射前の小手術における術者の被ばくがないこと, RI病棟など特別な人院施設を必要としないこと, 線源の停留時間を変化させることによってチューブ留置後に線量分布を改善できること等の理由から, 口腔癌のみならず, 前立腺癌や乳癌などにも広く応用されている. また治療成績も, 従来の方法と比較して, 優るとも劣らない結果が得られている. 一方μS法の欠点は, 放射線照射前の小手術における患者の負担が大きいことが挙げられる. 特に舌癌症例においては, 軟性チューブを腫瘤および腫瘤付近に留置させるために, 硬性針を顎下部およびオトガイ下部皮膚より刺入し, 顎下隙および舌下隙を貫通し, さらに舌癌腫瘍を貫通させることが必要となる. このため, 体内にチューブが留置されている距離が長くなり, この小手術における麻酔量も増加させざるを得ない. これまで放射線治療前の治療計画の説明において, 顎下部やオトガイ部皮膚からの硬性針の刺入を強く拒否する患者が存在した. これらの患者において, 口腔内のみでチューブをループ化するなどして, 舌以外の組織を貫通させることなくチューブを留置し放射線治療を行い, 5年以上の腫瘍フリーでの生存という良好な結果が得られた2症例を紹介する. また併せて, 舌癌の頸部リンパ節転移症例において, 癒着のために総頸動脈からのリンパ節の剥離が困難であった症例に対して, 術中にチューブを頸部に留置し, μS法による放射線治療を行った症例を供覧する. 【症例1】78歳女性. 左側舌縁部に発生した扁平上皮癌. 舌の前後方向にチューブを留置した. 放射線治療後, 8.1年腫瘍フリーで生存. 有害事象なし. 【症例2】60歳男性. 舌下面に発生した扁平上皮癌. 舌の前後方向にチューブを留置した. 放射線治療後, 5.2年腫瘍フリーで生存. 有害事象なし. 【症例3】65歳女性. 舌癌の頸部リンパ節転移. 外頸動脈, 内頸動脈分岐部を中心に, 血管走行方向に垂直にチューブを留置した. 放射線治療後, 9.8年腫瘍フリーで生存. 有害事象なし. |
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ISSN: | 0389-9705 |