16.歯科用小照射野CT, 3DXで用いられているスライス加算効果の解析

【目的】歯科用小照射野CTにおいて, フィルター画像再構成からは照射野の制限のみでパノラマ撮影程度の低X線被曝と高い画質の両立が困難である. 管電流2mA程度でも撮影が可能である理由に3DX独自のスライス加算によるノイズ低減が考えられる. そこで, スライス加算数を可変できるソフトウェアーを模作し, 効果を, 評価した. 【方法】東京医科歯科大学の3DXを用い, ファントムの上下前歯, 大臼歯部を同一位置でそれぞれ80KV, 2, 4, 6mAで撮影した. 自作したソフトウェアー上でMPR画像を作成し, スライスを1枚から16枚まで加算し検討した. 【結果】3DXではスライスは常に視線に垂直方...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 2004, Vol.44 (4), p.254-254
Hauptverfasser: 森田康彦, 誉田栄一, 大林尚人, 犬童寛子, 大河内清, 藤原吉邦, 和泉雄一, 倉林亨, 馬嶋秀行, 小林馨
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】歯科用小照射野CTにおいて, フィルター画像再構成からは照射野の制限のみでパノラマ撮影程度の低X線被曝と高い画質の両立が困難である. 管電流2mA程度でも撮影が可能である理由に3DX独自のスライス加算によるノイズ低減が考えられる. そこで, スライス加算数を可変できるソフトウェアーを模作し, 効果を, 評価した. 【方法】東京医科歯科大学の3DXを用い, ファントムの上下前歯, 大臼歯部を同一位置でそれぞれ80KV, 2, 4, 6mAで撮影した. 自作したソフトウェアー上でMPR画像を作成し, スライスを1枚から16枚まで加算し検討した. 【結果】3DXではスライスは常に視線に垂直方向におこなわれるため, 加算による空間分解能の劣化は視覚的には良くわからず, 一方雑音の低下は顕著であった. 本手法ではN枚加算では1/Nの線量でほぼ同等の画質の画像が作成可能で, 被曝低減に効果的に作用していると考えられた. 一方CT値は管電流により変動し, 管竜流と加算枚数の積を指標にしても, 視覚的に画質は等しくならなかった. これはI. Iの非線形応答の特質によるものと考えられた. 【まとめ】3DXのソフトウェアーは更新前のシステムでは一律8枚加算(1mm)であったが, 現在, 任意に変更された様である. 歯周病や, 歯肉癌診断には4枚加算(0.5mm)でも良いように思われた. 3DXでは管電流の設定とスライス加算数の設定が影響し, 今後の最適化が重要と思われた. また, MPRにおいて視線に垂直方向にスライスを加算し複数同時表示する手法はさまざまな装置に応用可能で, 有効な手法と思われた.
ISSN:0389-9705