顎骨にみられた不透過性病変の内部性状に関する研究: 第2報 Pearl shell構造の出現頻度

近年, 歯科医療の場において口腔全体の治療計画立案のために, パノラマX線写真が一層重要視され, 臨床症状が発現する以前の時期の顎骨の異常所見も捉えられるようになった. 歯科放射線科でも撮影したパノラマX線写真により, 歯根付近やその下方に発生する大小様々な形態を示す不透過性病変の画像診断を行う機会が増えてきている. 著者らは不透過性病変56例について行った報告1において, 回転パノラマX線写真や口内法X線写真はかなり厚みを持った断層像あるいは重複像であることから, 病変の内部の性状を正確に把握するには限界があることを指摘した. また, 顎骨内不透過性病変の内部性状を正確に診断できる小照射野X...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 2004/03/30, Vol.44(1), pp.16-23
Hauptverfasser: 荒木, 正夫, 橋本, 光二, 松本, 邦史, 篠田, 宏司, 小宮山, 一雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 歯科医療の場において口腔全体の治療計画立案のために, パノラマX線写真が一層重要視され, 臨床症状が発現する以前の時期の顎骨の異常所見も捉えられるようになった. 歯科放射線科でも撮影したパノラマX線写真により, 歯根付近やその下方に発生する大小様々な形態を示す不透過性病変の画像診断を行う機会が増えてきている. 著者らは不透過性病変56例について行った報告1において, 回転パノラマX線写真や口内法X線写真はかなり厚みを持った断層像あるいは重複像であることから, 病変の内部の性状を正確に把握するには限界があることを指摘した. また, 顎骨内不透過性病変の内部性状を正確に診断できる小照射野X線CT(歯科用CT)は鑑別診断に有効であることを述べ, この画像上でhigh densityを示す病変内部に分離してみられる小類円形の構造を含むものを真珠貝様構造(Pearl shell構造)と名付けた. このような不透過性病変の2例について外科的に全摘出を行い病理組織学的に硬化性骨髄炎と診断されたことから, このPearl shell構造(以下PS構造と略す)はなんらかの炎症の機転と関連があるのではないかと結論づけたが, 少数例のためその実態については解明できなかった.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.44.16