O-33 顎関節内障に対するIVRの評価
本学附属病院では顎関節MR画像検査から円板動態が確定した症例のうち, 著しい開口障害や極度の顎関節痛(開口時, 咀嚼時)を訴える例では, 関節腔内の線維性病変を疑い顎関節腔二重造影X線検査(断層, CT)を行っている. 造影検査から関節腔内の癒着や狭窄が疑われた場合には, そのまま関節腔内視鏡検査, 上関節腔剥離授動術を施行することをこれまでに報告してきた. これらのなかに, 術後の経過観察のためのMR画像検査を行った症例がある. 術前術後の臨床症状やMR画像所見を比較検討することは, 上関節腔剥離授動術の予後や顎関節構造の変化の有無を推定することに有益であると考える. そこで術前後の臨床所見...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2003, Vol.43 (suppl), p.45-45 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本学附属病院では顎関節MR画像検査から円板動態が確定した症例のうち, 著しい開口障害や極度の顎関節痛(開口時, 咀嚼時)を訴える例では, 関節腔内の線維性病変を疑い顎関節腔二重造影X線検査(断層, CT)を行っている. 造影検査から関節腔内の癒着や狭窄が疑われた場合には, そのまま関節腔内視鏡検査, 上関節腔剥離授動術を施行することをこれまでに報告してきた. これらのなかに, 術後の経過観察のためのMR画像検査を行った症例がある. 術前術後の臨床症状やMR画像所見を比較検討することは, 上関節腔剥離授動術の予後や顎関節構造の変化の有無を推定することに有益であると考える. そこで術前後の臨床所見とMR画像所見を対比検討した. 対象:1993年から2003年までに上関節腔剥離授動術を受け, 術後経過観察にMR画像検査を行った86症例, 88関節である. 男性7例, 女性79例で年齢は13歳から68歳(平均34歳)であった. 臨床症状:最大開口距離, 顎関節痛, 関節音を対象とした. 画像所見では下顎頭位, 円板形態, 円板転位程度, 下顎頭骨形態, 下顎窩骨形態, joint effusionの有無について検討した. 術前最大開口距離は平均約30mmであったが術後は約43mmで, 開口距離の増加が認められたものは82関節であった. 顎関節部の疼痛は術前で72関節に認められ, 術後に疼痛を認めたのは32関節であった. 一方, 関節音は術前23関節に認められた. 術後に関節音は33関節に認められ, crepitus音が増加していた. 術前のMR画像検査結果は円板転位なし3関節, 復位を伴う円板前方転位8関節, 復位を伴わない円板前方転位は77関節にあった. 顎関節腔二重造影検査で20関節に関節円板穿孔が認められた. 術後円板動態が変化したのは8関節であった. 下顎頭位は中央位, 円板形態はbiconvexなどの変形群, 円板転位程度の進行, 下顎頭骨変化の進行, 下顎窩骨変化の進行が認められた. Joint effusionは開口距離が増大したもので消失例が多く見られた. |
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ISSN: | 0389-9705 |