13.シェーグレン症候群診断基準としての唾液腺シンチの有用性-とくに異常唾液腺数について

唾液腺シンチ所見はシェーグレン症候群の診断基準に取り入れられているが, 唾液腺造影所見や小唾液腺生検所見に見られるようなstage分類での評価ではなく, 単に「機能低下」とのみ記載されている. 今回の検討では, 唾液腺シンチに見られる集積や排泄機能の低下について分析を行ない, シェーグレン症候群の診断のためのstage分類の設定について分析を試みた. 症例と方法:我々の施設で過去13年間に行なった唾液腺シンチを分析した. 唾液腺炎例と良性腫瘍例95例(対照例), 原発性と続発性シェーグレン症候群の確実例26例と疑い例43例を対象とした. まず対照例の正常唾液腺(117耳下腺と104顎下腺)の唾...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 2003, Vol.43 (4), p.236-236
Hauptverfasser: 佐藤強志, 川畑義裕, 川床正剛, 犬童寛子, 河野一典, 末永重明, 馬嶋秀行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:唾液腺シンチ所見はシェーグレン症候群の診断基準に取り入れられているが, 唾液腺造影所見や小唾液腺生検所見に見られるようなstage分類での評価ではなく, 単に「機能低下」とのみ記載されている. 今回の検討では, 唾液腺シンチに見られる集積や排泄機能の低下について分析を行ない, シェーグレン症候群の診断のためのstage分類の設定について分析を試みた. 症例と方法:我々の施設で過去13年間に行なった唾液腺シンチを分析した. 唾液腺炎例と良性腫瘍例95例(対照例), 原発性と続発性シェーグレン症候群の確実例26例と疑い例43例を対象とした. まず対照例の正常唾液腺(117耳下腺と104顎下腺)の唾液腺シンチ所見について集積と排泄機能について分析を行い, これらをコントロールとした. これらのコントロールと比較してシェーグレン症候群の確実例26例と疑い例43例の集積と排泄機能の低下を3段階に分類し, 30%以下の機能低下S-0, 30-70%をS-I, 70%以上をS-IIとした. また同時に実施した造影所見(G-0, G-I, G-II)はRubin&Holtの分類, 生検所見(P-0, P-I, PII)はChisholm&Masonの分類を参考にそれぞれ3段階に分類しそれぞれを比較した. 結果:(1)シンチ所見は造影所見と良好な結果を示したが, 生検所見との比較ではP-IとP-IIとの間でほとんど差が見られなかった. (2)シェーグレン症候群確実例の唾液腺では60%以上がS-IIを示し, 疑い例の20%と著明な差が見られた. (3)今回は機能異常を示した唾液腺数について分析を行ったが, 確実例の60%以上の症例で3~4腺に低下が見られたが, 疑い例では2腺が最も多かった. (4)この3腺以上の機能変化とS-IIを唾液腺シンチの基準とすると, 今回の症例(確実例と疑い例)では感度は76.9%, 特異性は69.7%, 精度は72.5%であった.
ISSN:0389-9705