In vitroにおける放射線・温熱併用効果と核内転写因子NFκBの活性化について
[目的]放射線によっておこる細胞致死機構については多くの細胞内転写因子が関与していることが示されているが, 核内の転写因子NFκBを介したシグナル伝達も重要な要因をなしている. 本研究は温熱による放射線の細胞致死に対する増感効果についての検討および核内転写因子であるNFκBの活性化との関連性について明らかにすることを目的とした. [材料と方法]Hela S3, Saos 2, HL60の細胞株を本実験では用いた. 各細胞は, ハムF12+DMEM(1:1)培地に10%FBSを添加した増殖培地を用い培養した. 放射線単独および温熱処理併用による細胞の生残率について検討した. 放射線および温熱処理...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2001-09, Vol.41 (suppl), p.30-30 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]放射線によっておこる細胞致死機構については多くの細胞内転写因子が関与していることが示されているが, 核内の転写因子NFκBを介したシグナル伝達も重要な要因をなしている. 本研究は温熱による放射線の細胞致死に対する増感効果についての検討および核内転写因子であるNFκBの活性化との関連性について明らかにすることを目的とした. [材料と方法]Hela S3, Saos 2, HL60の細胞株を本実験では用いた. 各細胞は, ハムF12+DMEM(1:1)培地に10%FBSを添加した増殖培地を用い培養した. 放射線単独および温熱処理併用による細胞の生残率について検討した. 放射線および温熱処理後の細胞の生残率はコロニー形成法およびMTT法にて求めた. 細胞のアポトーシスによるDNAの断片化の検出はアガロースゲル電気泳動を用い, DNAラダー像により判定した. 転写因子NFκBの活性化についてゲルシフトアッセイにより調べ細胞致死効果との関連について検討した. [結果および考察] 1.放射線照射後1時間以内の温熱処理(43℃, 1h)により, 明らかな増感作用を示した. 2.HL60細胞においてはX線10Gy照射後, 43℃, 1h処理によりDNAラダーが認められ, アポトーシスによる細胞死が確認された. 3.X線照射により照射後1時間をピークとして, 線量依存的にNFκBの強い活性化が見られた. X線照射後の温熱処理(43℃, 1h)により, NFκB発現の抑制が見られ, 2時間処理ではとんどコントロールレベルまで抑えられた. 4.放射線による障害からの回復に関して, NFκBの発現を介したシグナル伝達の関与が考えられているが, 温熱による増感効果はこのNFκB活性化の抑制による可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0389-9705 |