顎関節症におけるMR画像と顎関節腔二重造影像の検出能について
MRIの普及により顎関節症の診断において非侵襲的な検査が可能となり, より多くの確実な情報を得ることができるようになった. 特に関節円板の形態や位置異常についての抽出能は確かである. しかし依然としてMR画像から抽出しにくい病的変化もあり, 顎関節腔造影や関節鏡検査等による侵襲的な検査が必要になってくる. そこで従来から行われてきた顎関節腔造影とMR画像の異常所見の検出能について検討を行った. 対象:本学にMRIが導入された1995年10月から2001年3月末日までに顎関節症でMRI検査と顎関節腔二重造影断層X線検査を施行して良好な画像を得られた28患者33関節とした. 装置:MRIはMAGN...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2001-09, Vol.41 (suppl), p.28-28 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | MRIの普及により顎関節症の診断において非侵襲的な検査が可能となり, より多くの確実な情報を得ることができるようになった. 特に関節円板の形態や位置異常についての抽出能は確かである. しかし依然としてMR画像から抽出しにくい病的変化もあり, 顎関節腔造影や関節鏡検査等による侵襲的な検査が必要になってくる. そこで従来から行われてきた顎関節腔造影とMR画像の異常所見の検出能について検討を行った. 対象:本学にMRIが導入された1995年10月から2001年3月末日までに顎関節症でMRI検査と顎関節腔二重造影断層X線検査を施行して良好な画像を得られた28患者33関節とした. 装置:MRIはMAGNEX_α (島津製作所)1.0Tで, 顎関節用表面コイル(直径9cm・両側)を用いた. 位置決めは下顎頭長軸に対して垂直な矢状断平面とした. 撮像は咬合位および開口位矢状断をSE法, プロトン強調画像とT2強調画像にて, FOV=13cm, スライス厚3mm, スライス間隔4mmで行った. X線断層装置はORBITOME-UG(日立)を使用し, 顎関節腔二重造影検査はX線透視下でomnipaque300(第一製薬)を上下関節腔に穿刺注入後, 開閉口運動を行い造影剤吸引し空気を注入して上下顎関節二重造影として多層断層X線撮影を行った. 検討方法:顎関節腔二重造影断層X線検査とMR画像から得られた顎関節円板位置, 円板形態および線維性癒着や円板穿孔所見について比較を行った. 結果:MR画像と顎関節二重造影所見の完全な一致が24関節で認められ, 顎関節二重造影による所見の追加が3関節に認められた. また両検査所見の相違が6関節に認められた. 顎関節二重造影で線維性癒着は8関節, 円板穿孔例は11関節で認められたが, MR画像では癒着が3関節に認めたが, 穿孔は認めなかった. 造影検査は穿孔所見の抽出のみでなく, 検査と同時に治療処置も可能なことから重篤な症例の場合はMRとの併用が必要であると考える. |
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ISSN: | 0389-9705 |