マルチ周波数処理Computed Radiographyによる頭部エックス線規格写真の評価

頭部エックス線規格撮影法は, 従来から増感紙を用いた銀塩フイルムを撮影, 評価するものであり, 管電圧, 管電流などの撮影条件, 増感紙や現像処理等に大きく像が影響されることが臨床にて多く見られた. とくに歯科矯正の臨床においては, 各計測点の評価を通常の単純エックス線写真で行う際に, これら撮影条件に画像が大きく左右されることが多く, 臨床にて使用が困難なのが現状である. 近年, コンピュータの発達により, イメージングプレートによるCR(Computed Radiography)が臨床にて用いられるようになってきたが, マルチ周波数処理を施したCRによる頭部エックス線規格写真の検討はいまだ...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 2001-09, Vol.41 (suppl), p.22-22
Hauptverfasser: 大迫美穂, 本橋淳子, 森進太郎, 李光純, 山城光明, 金田隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭部エックス線規格撮影法は, 従来から増感紙を用いた銀塩フイルムを撮影, 評価するものであり, 管電圧, 管電流などの撮影条件, 増感紙や現像処理等に大きく像が影響されることが臨床にて多く見られた. とくに歯科矯正の臨床においては, 各計測点の評価を通常の単純エックス線写真で行う際に, これら撮影条件に画像が大きく左右されることが多く, 臨床にて使用が困難なのが現状である. 近年, コンピュータの発達により, イメージングプレートによるCR(Computed Radiography)が臨床にて用いられるようになってきたが, マルチ周波数処理を施したCRによる頭部エックス線規格写真の検討はいまだ見られない. 本研究の目的はマルチ周波数処理を施したCRを用いて, 頭部エックス線規格写真の各計測点の評価を施行し, マルチ周波数処理の有効性を検討することである. 1.対象は日本大学松戸歯学部付属歯科病院の矯正科を受診した30人のマルチ周波数処理を施した頭部エックス線規格写真を用いた. マルチ周波数処理を高周波, 低周波, およびその中間周波数の3段階表示し, N(ナジオン), ANS(前鼻棘), A点, Pr(プロスチオン), B点の5点の各計測点について複数の歯科放射線科医および矯正専門医にて評価した. 2.CRにて撮影された頭部エックス線規格写真を上記の5点(N, ANS, A点, Pr, B点)について各々周波数処理を施行した画像を評価した. なお, 評価方法は複数の観察者にて計測点をclear(+), moderate(±), unclear(-)の3段階にて評価し, 有効なマルチ周波数処理を検討した. 使用した装置は日本大学松戸歯学部付属歯科病院のFuji Computed Radiography(FCR3500)のCR装置を使用した. マルチ周波数は低周波にくらべ, 高周波の方が5点の評価で高い評価を得た. 一方, 鼻骨や顔面軟組織の側面の描出には低周波の方が優位であた. 各計測点において, 高周波処理のCR画像が低周波に比べ評価が高かった. CRのマルチ周波数処理は頭部規格エックス線写真は臨床に有効な方法と示唆された.
ISSN:0389-9705