変形性顎関節症における断層エックス線所見と骨代謝マーカー, 骨シンチグラフィとの関連
[目的]変形性顎関節症の病態評価は主に静的な状態を反映した画像所見から行われているが, その所見が破壊状態なのか, 適合状態なのかの動的な評価はわからない. そこで, 変形性顎関節症の画像所見と動的な状態を評価する骨代謝との関連について検討した. [対象]対象は初診時のMRIにて関節円板の状態が診断され, 断層エックス線像にて骨変化が認められた症例のうち, 骨シンチグラフィ, あるいは滑液中ICTP, PICP濃度が測定された16例, 16関節(男性4関節, 女性12関節, 年齢15~86歳, 平均年齢45.5歳)である. [検討方法]骨変化は断層エックス線像から骨透過性(erosion, s...
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Zusammenfassung: | [目的]変形性顎関節症の病態評価は主に静的な状態を反映した画像所見から行われているが, その所見が破壊状態なのか, 適合状態なのかの動的な評価はわからない. そこで, 変形性顎関節症の画像所見と動的な状態を評価する骨代謝との関連について検討した. [対象]対象は初診時のMRIにて関節円板の状態が診断され, 断層エックス線像にて骨変化が認められた症例のうち, 骨シンチグラフィ, あるいは滑液中ICTP, PICP濃度が測定された16例, 16関節(男性4関節, 女性12関節, 年齢15~86歳, 平均年齢45.5歳)である. [検討方法]骨変化は断層エックス線像から骨透過性(erosion, sclerosis)と骨外形(変化なし, deformity, marginal proliferation)を評価した. 骨代謝マーカーは, 顎関節滑液中のICTP(骨吸収を反映), PICP(骨形成を反映)をラジオイムノアッセイ法にて測定した. 骨シンチグラフィは, ^^99m Tc-MDP静注4時間後の側画像から, 顎関節部と頸部軟組織部に関心領域を設定して, その比を集積比として半定量的に評価した. [結果]1. 関節円板は全例前方転位や形態変化を認めたが, 骨代謝との間には統計学的な有意差はみられなかった. 2. 骨透過性の変化ではerosionはsclerosisよりもICTP, PICP, 集積比とも有意に高かった. 3. 骨外形の変化と骨代謝との間には統計学的な有意差はみられなかった. [まとめ]変形性顎関節では関節円板の位置, 形態の異常や構成硬組織の骨変化を認めた. たが, その全ては骨代謝の亢進した状態にあるのではなく, 骨代謝の低い安定した状態にあるものもみられた. 症例数が少ないので断定はできないが, 本検討結果から, 断層エックス線像のうち, erosionは骨代謝の盛んな破壊状態にあり, sclerosisは骨代謝の低い安定した適合状態にあることが示唆された. |
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ISSN: | 0389-9705 |