Three-Dimensional Ultrasonographyによる舌体積測定と再現性に関する検討

[目的]舌の大きさや機能異常が, dental arch sizeの異常をはじめとする顎発育異常の原因のひとつになると言われている. そのため, 顎変形症手術後に後戻り予防を目的として舌縮小術を行うが, 舌体積の有効な定量評価法はいまだに確立されていない. そのため, 舌縮小術を行うか否かの判定は, 術者らの主観的な判断に委ねられているのが現状である. そこで今回の目的は, 三次元表示や体積測定が可能な超音波装置Three-Dimensional Ultrasonograpgy(3D-US)を用いて, 体積測定の再現性について検討すること. さらに舌任意断面表示および舌体積測定を試みることであ...

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Hauptverfasser: 稲垣将文, 久保田英朗, 小田博雄, 閑野政則, 砦謙介, 渡邊篤, 鹿島勇
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]舌の大きさや機能異常が, dental arch sizeの異常をはじめとする顎発育異常の原因のひとつになると言われている. そのため, 顎変形症手術後に後戻り予防を目的として舌縮小術を行うが, 舌体積の有効な定量評価法はいまだに確立されていない. そのため, 舌縮小術を行うか否かの判定は, 術者らの主観的な判断に委ねられているのが現状である. そこで今回の目的は, 三次元表示や体積測定が可能な超音波装置Three-Dimensional Ultrasonograpgy(3D-US)を用いて, 体積測定の再現性について検討すること. さらに舌任意断面表示および舌体積測定を試みることである. [方法]使用した装置は超音波診断装置SSD-5000と画像解析装置SAS-300(ともにAloka社製, 東京)である. 使用した探触子は経膣走査用で, 中心周波数7.5MHzにて撮像した. まず体積測定の精度を知るために, わらび餅とゆで卵の体積を測定した. つぎにヒトのオトガイ下部を走査し, 舌体積の測定を試みた. [結果]わらび餅およびゆで卵の体積(ml)測定は, 実測地, 超音波による測定値ともに3回ずつ行った. わらび餅は73.78±1.52, 74.31±2.07, ゆで卵は51.62±2.40, 49.24±0.75であり, 実測地と測定値との間に有意差は認められなかった(p=0.7952, p=0.1816). 舌の体積(ml)測定について3回の走査により測定したところ, 66.38±0.04であった. また, 1回の走査に対して3回の体積測定を行ったところ, 66.68±1.03であった. 以上の結果のいずれについても, 有意な観察者内誤差は認められなかった. [結論]3D-USを用いることで, (1)高い再現性での体積測定が可能であり, 実測地との間に有意差を認めなかった. (2)舌任意断面を描出することができた. (3)舌体積を測定することができた.
ISSN:0389-9705