耳下腺領域の腫瘤性病変のUSおよびMRIによる画像診断
目的:耳下腺領域の腫瘤性病変についてはこれまで唾液腺造影法, CT, 超音波検査法(US)が用いられて来たが, MRIの普及によりさらに画像診断法が増加した. 我々は患者の被曝やコストの面からも必要最小限の検査法を選択する必要がある. そこで非侵襲的画像診断法である超音波検査法(US)およびMRIを組み合わせて耳下腺領域の腫瘤性病変の画像を分析し, これらによって得られる診断情報について検討した. 第1報としてUS所見について報告する. 方法:耳下腺領域に腫瘤性病変があると臨床的に診断された患者21名を対象とし, US所見を解析した. 評価の着眼点は部位, 形態, 境界, 内部構造, 後方増強...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 1999, Vol.39 (suppl), p.99-99 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:耳下腺領域の腫瘤性病変についてはこれまで唾液腺造影法, CT, 超音波検査法(US)が用いられて来たが, MRIの普及によりさらに画像診断法が増加した. 我々は患者の被曝やコストの面からも必要最小限の検査法を選択する必要がある. そこで非侵襲的画像診断法である超音波検査法(US)およびMRIを組み合わせて耳下腺領域の腫瘤性病変の画像を分析し, これらによって得られる診断情報について検討した. 第1報としてUS所見について報告する. 方法:耳下腺領域に腫瘤性病変があると臨床的に診断された患者21名を対象とし, US所見を解析した. 評価の着眼点は部位, 形態, 境界, 内部構造, 後方増強, 底面エコー, 側方陰影であった. またこれらのうち, 境界, 後方増強, 内部エコーパターンの画像サインを用いた場合の良悪性の鑑別診断能についても検討を加えた. 結果:USは腫瘍の微細な内部構造を表すことができ, かつ後方増強, 底面エコーも診断に有用であった. 形態と境界の評価はほぼ可能であったが, 腫瘤サイズの大きい物, 深い位置にあるもの, 骨に近い部位, 曲率の強い所は境界の評価が困難であった. また被膜様構造物はUSでは描出できなかった. 診断能は, 腫瘤の検出率は100%であった. 境界, 後方増強, 内部エコーパターンの画像サインを2つ組み合わせて評価すると良悪性の鑑別診断能はsensitivity 83%, specificity 80%であった. 結論:USは耳下腺領域の腫瘤性病変か炎症性腫大かを判別するため最初に行うのに適した画像診断法であると考えられる. かつサイズが比較的小さく, 表層にあり, 典型的なUS所見を呈する物についてはUSのみで診断が十分な場合もある. 診断が困難な症例に関しては, USにMRIを追加し, その位置と範囲および組織学的診断の確実性を増加させる必要があると考えられる. |
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ISSN: | 0389-9705 |