舌癌の放射線治療効果判定とMR画像

目的:MR画像により舌癌の放射線治療効果を評価するために, 治療前後におけるMR画像の変化と手術摘出標本の病理組織学的評価との比較検討を行った. 方法:対象は術前放射線治療を行った舌癌5症例(男性3名, 女性2名:年齢25~50歳, 平均年齢40.8歳)である. 初診時におけるT分類は, T1-2例, T2-2例, T3-1例で, 部位は全症例とも舌縁部であった. 2症例は放射線治療と超選択的動注併用, 1症例は放射線治療と化学療法併用, 2症例は放射線治療単独を術前治療として施行された. MR装置はGE社Signa 1.5Tを用い, 治療前後にT1強調画像, T2強調画像, Gd-DPTA造...

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Hauptverfasser: 犬童寛子, 河野一典, 川畑義裕, 野井倉武憲
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:MR画像により舌癌の放射線治療効果を評価するために, 治療前後におけるMR画像の変化と手術摘出標本の病理組織学的評価との比較検討を行った. 方法:対象は術前放射線治療を行った舌癌5症例(男性3名, 女性2名:年齢25~50歳, 平均年齢40.8歳)である. 初診時におけるT分類は, T1-2例, T2-2例, T3-1例で, 部位は全症例とも舌縁部であった. 2症例は放射線治療と超選択的動注併用, 1症例は放射線治療と化学療法併用, 2症例は放射線治療単独を術前治療として施行された. MR装置はGE社Signa 1.5Tを用い, 治療前後にT1強調画像, T2強調画像, Gd-DPTA造影T1強調画像, Gd-DPTA造影CHESS画像, Dynamic stadyを撮像した. 手術時の摘出標本については, 国立ガンセンターの放射線治療効果判定により組織学的に治療効果の評価を行った. 結果:治療前におけるMR画像ではT2強調画像でhigh intensityを呈し, 腫瘍の存在をdetectできたものは3症例であり, Gd-DPTA造影T1強調画像においてもエンハンス効果が認められた. これに対しT2強調画像でdetectできなかった2例ではGd-DPTA造影T1強調画像においてもエンハンス効果ははっきりと示されなかった. しかし, Dynamic imageまたは造影後CHESS画像にてエンハンス効果が見られ, 腫瘍の存在を検出できた. 放射線治療後のMR画像では, 治療前と比較してT2強調画像で内部intensityの低下と造影後のエンハンス効果の減少が認められたものが3症例, 他の2例もDynamic imageまたは造影後CHESS画像にてエンハンス効果の低下を示した. 手術摘出標本の病理組織学的効果判定では, Grade. -1例, 「a-2例, 「b-1例, 「b-1例であった. このうち治療効果が著明と判定されたGrade.bの症例では, 治療後MR画像において, T2強調画像で内部intensityの明らかな低下を示し, 造影後のエンハンス効果がほとんど認められなかった. しかしながら, ほとんど治療効果が見られなかったGradeの症例でもT2強調画像における内部intensityの低下, 造影後のエンハンス効果の減少が認められた. まとめ:MR画像では放射線照射による腫瘍組織の変化のみならず, 腫瘍周囲組織の浮腫, 炎症細胞の浸潤, 線維化などの反応性変化も同時にとらえており, 治療効果を評価するのは困難であると考えられた.
ISSN:0389-9705