歯と顎骨の相互作用より見た系統疾患のX線診断
今回の演題で, 歯と顎骨の相互作用という観点から系統疾患に認められるX線所見が如何に発現されるかを述べた. 例えば, 歯髄腔の拡大を認めるクル病と, 歯髄腔の狭窄ないし閉塞を認める大理石病, Pycnodysostosisを対比して症例を提示し考えを述べた. 又, 顎骨の骨塩が一義的に脱灰する原発性副甲状腺機能亢進症(骨タイプ)と複雑な顎骨病変を伴う続発性副甲状腺機能亢進症における歯周組織病変の変化, 特に歯根膜部の夫々の特徴的X線所見を対比した. その他2, 3の系統疾患に特徴的X線所見がどの様にして認められるか胚葉起源による選択的侵襲を考慮に入れ詳しく述べた. 顎骨とりわけ歯根膜(部)の微...
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Zusammenfassung: | 今回の演題で, 歯と顎骨の相互作用という観点から系統疾患に認められるX線所見が如何に発現されるかを述べた. 例えば, 歯髄腔の拡大を認めるクル病と, 歯髄腔の狭窄ないし閉塞を認める大理石病, Pycnodysostosisを対比して症例を提示し考えを述べた. 又, 顎骨の骨塩が一義的に脱灰する原発性副甲状腺機能亢進症(骨タイプ)と複雑な顎骨病変を伴う続発性副甲状腺機能亢進症における歯周組織病変の変化, 特に歯根膜部の夫々の特徴的X線所見を対比した. その他2, 3の系統疾患に特徴的X線所見がどの様にして認められるか胚葉起源による選択的侵襲を考慮に入れ詳しく述べた. 顎骨とりわけ歯根膜(部)の微小循環網の発達が最近注目されている. この事実とROD即ち腎性骨異栄養症に頻発するいわゆる顎骨の顆粒状変化が口内法X線写真で歯根膜の辺縁から, それも歯頸部より最初に起こり歯根部の方へ移行するという事実を提示し, この顎骨の顆粒状変化がいわゆるFOLにも連がるという示唆もつけ加え, 更に歯根膜部の微小循環網とも関連性が存在することも述べた. さて今回の発表で口内法X線写真で得られた情報が如何に系統疾患をX線診断する上で的確かを強調するとともに, 経時的X線所見の変化を追求するのに罹患者の縦の追跡調査検討が必須であり, その際口内法X線写真のDigital Subtraction等の手段が有効との話もした. 最後に, 半沢和雄先生所有(東北大症例, 論文発表済)の全く経験したことのない口内法X線写真を供覧した. 勿論系統疾患であったが, ともかく象牙質, エナメル質が吸収され顎骨にも著明な骨変化の認めた活動期の病態像である. 今回参加した会員の先生方全員確定診断ができなかったことを付記する. Intraoral Filmの素晴らしさを十二分に味わい口演を終了した. まとめ「個儻不羈」です. どの様に読み, どの様な意味でしょう. |
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ISSN: | 0389-9705 |